処遇改善加算の区分と要件を整理する【2026年6月改定対応】
結論(この記事でわかること)
ミナ処遇改善加算の「Ⅰロ」って、うちが取っている「Ⅰ」と何が違うんですか? 施設長に「ロにできないか調べて」と言われたんですが。
ジムチョーロはね、イの要件を全部満たしたうえで、ケアプランデータ連携システムの利用のような特例要件を1つ足した区分なんだ。要件が緩くなったわけではないよ。まずは、うちが今どの要件で止まっているかを一緒に見てみよう。
ミナつまりロは、イの要件がそろった事業所への上乗せで、まずはイに届いているかを確かめるのが先なんですね。
ジムチョーそういうことだね。イに届いていれば、足すのは特例要件1つで済むんだ。訪問系や通所系ならケアプランデータ連携システム、施設系なら生産性向上推進体制加算が現実的な選択肢になるよ。
介護職員等処遇改善加算は、2026年6月サービス分からⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分になった。旧Ⅰ〜Ⅳの4区分にはなかった「ロ」は、ケアプランデータ連携システムの利用などの令和8年度特例要件を満たした事業所だけが取れる上乗せ区分で、要件の緩和ではない。
事務長・管理者が押さえるべき点は3つに絞れる。
- 要件は下から積み上がる。Ⅳの要件を満たさない事業所はⅢ以上を取れない。自社がどこで止まっているかを要件表で特定する
- 上位区分ほど加算率の差が大きい。通所介護で月12万単位の事業所なら、ⅣとⅠロの差は月44,400円、年間53万円(その他地域の場合)
- 加算は全額を賃金改善に回す義務がある。区分を上げる判断は「増える加算額」ではなく「増える加算額 − 要件を満たすためのコスト」で行う
自社の数字は処遇改善加算シミュレーターで試算できる。この記事では、区分ごとの要件と、判断に必要な計算例を整理する。
2026年6月に何が変わったか
令和8年度臨時介護報酬改定(2026年6月1日施行)で、処遇改善加算は次のように変わった。
| 項目 | 2026年5月まで | 2026年6月から |
|---|---|---|
| 区分 | Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの4区分 | Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分 |
| 加算率 | 例: 訪問介護Ⅰ 24.5%、通所介護Ⅰ 9.2% | 例: 訪問介護Ⅰロ 28.7%、通所介護Ⅰロ 12.0% |
| 配分対象 | 介護職員が中心 | 介護従事者全体(看護職・リハ職・ケアマネジャー・相談員・事務員等)に拡大。介護職員への重点配分は維持 |
| 対象サービス | 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援は対象外 | 訪問看護 1.8%、訪問リハ 1.5%、居宅介護支援 2.1% を新設(区分なし) |
配分対象が介護従事者全体に広がったということは、事務員にも配れるようになったんですか?
そうなんだ。看護職やリハ職、ケアマネジャー、相談員、事務員にも配れるよ。ただ介護職員への重点配分は維持されているから、ほかの職種に配る分とのバランスを見て決めよう。
改定の狙いは、介護従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げ、生産性向上や協働化に取り組む事業所の介護職員にはさらに月0.7万円(2.4%)の上乗せで、定期昇給分を合わせて介護職員は最大月1.9万円(6.3%)とされている(基本通知 1)。「ロ」の区分がこの上乗せ部分にあたる。
加算率は、令和8年度の基本通知(老発0313第6号)の別紙1の値。2026年5月までは表1-1、6月からは表1-2〜1-5に載っている。
区分ごとの要件一覧
要件が多くて、どこから見ればいいですか?
下から積み上がっているんだ。Ⅳの要件を満たしていなければⅢ以上は取れない。表を下の行から順に「うちは満たしているかな」と見ていくと整理しやすいよ。
要件は「賃金改善」「キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ」「職場環境等要件」「見える化要件」「令和8年度特例要件」の組み合わせで決まる。
| 区分 | 賃金改善 | キャリアパス要件 | 職場環境等要件 | 見える化 | 特例要件 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰロ | 必須 | Ⅰ〜Ⅴ | 各区分2以上・生産性向上3以上 | 必須 | 必須 |
| Ⅰイ | 必須 | Ⅰ〜Ⅴ | 各区分2以上・生産性向上3以上 | 必須 | なし |
| Ⅱロ | 必須 | Ⅰ〜Ⅳ | 各区分2以上・生産性向上3以上 | 必須 | 必須 |
| Ⅱイ | 必須 | Ⅰ〜Ⅳ | 各区分2以上・生産性向上3以上 | 必須 | なし |
| Ⅲ | 必須 | Ⅰ〜Ⅲ | 各区分1以上・生産性向上2以上 | 不要 | なし |
| Ⅳ | 必須 | Ⅰ〜Ⅱ | 各区分1以上・生産性向上2以上 | 不要 | なし |
全区分に共通して、月額賃金改善要件Ⅰ(加算Ⅳ相当額の2分の1以上を基本給または毎月決まって支払われる手当で改善する)がかかる。
キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ
| 要件 | 内容 | 経理・管理側で必要になるもの |
|---|---|---|
| Ⅰ | 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を定め、就業規則等に明記して周知 | 賃金規程・等級表。処遇改善手当も規程に入れる |
| Ⅱ | 資質向上の目標と計画を定め、研修機会の提供または資格取得支援を実施 | 研修計画書、受講記録、資格取得支援の規程 |
| Ⅲ | 経験・資格・一定基準に基づく定期的な昇給の仕組みを整備し周知 | 昇給基準を明文化した賃金規程 |
| Ⅳ | 経験・技能のある介護職員のうち1人以上を、賃金改善後の年額440万円以上にする | 該当者の年収シミュレーション。基本給・手当・賞与を含めた年額で判定 |
| Ⅴ | サービス類型ごとに定められた割合以上の介護福祉士等を配置 | サービス提供体制強化加算等の算定状況。人員変動で落ちるとⅠも落ちる |
キャリアパス要件Ⅳの440万円は、基本給だけで判定するんですか?
賃金改善後の年額で見るから、手当や賞与も含めていいんだ。処遇改善手当と賞与を足して届く職員がいれば満たせるので、候補になる人の年収を試算してみよう。
キャリアパス要件Ⅳには例外がある。小規模事業所で職種間の賃金バランスへの配慮が必要な場合、職員全体や地域の賃金水準が低い場合、規程の整備や経験の蓄積に期間を要する場合などは、計画書に合理的な理由を書けば指定権者の判断で認められる。Ⅴで届出が必要な加算はサービス種別ごとに決まっていて、サービス提供体制強化加算、特定事業所加算(訪問介護など)、日常生活継続支援加算(特養)、入居継続支援加算(特定施設)のうち、通知の別紙表で定める区分を届け出ていることが条件になる。
職場環境等要件
令和7年4月から6区分28項目の構成になっている。区分は「入職促進に向けた取組」「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」「両立支援・多様な働き方の推進」「腰痛を含む心身の健康管理」「生産性向上のための業務改善の取組」「やりがい・働きがいの醸成」の6つ。
必要な項目数は区分によって違う。
| 算定区分 | 生産性向上以外の5区分 | 生産性向上の区分 | 合計 |
|---|---|---|---|
| Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ | 各2項目以上 | 3項目以上(「体制構築」「課題の見える化」のいずれかが必須) | 13項目以上 |
| Ⅲ・Ⅳ | 各1項目以上 | 2項目以上 | 7項目以上 |
Ⅰ・Ⅱを算定する場合は、取り組みの内容をホームページや介護サービス情報公表システムで公表する見える化要件が加わる。
令和8年度特例要件(ロの条件)
Ⅰロ・Ⅱロは、Ⅰイ・Ⅱイの要件に加えて次のいずれかを満たす必要がある。
- ケアプランデータ連携システムを利用している(訪問・通所サービス等)
- 生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している(施設サービス等)
- 社会福祉連携推進法人に所属している
申請時点でまだ満たしていなくても、誓約すれば申請時点から満たしているものとして算定できる。誓約した場合、ケアプランデータ連携システムは加入するだけでなく令和9年3月末までに利用を始め、生産性向上推進体制加算は実績報告書の提出(令和8年度分は通常、令和9年7月31日)までに算定して、実績報告書で報告する(令和8年度 基本通知 3(1)⑧、処遇改善加算 Q&A 問8-2・8-4)。
訪問系・通所系はケアプランデータ連携システム、施設系は生産性向上推進体制加算が現実的な選択肢になる。ケアプランデータ連携システムの利用料は年額21,000円(税込)。2025年6月からの無料キャンペーンが延長されているので、申請時点の条件は公式サイトで確認する。ロによる加算率の上乗せ(通所介護で0.9ポイント)と比べれば回収は早い。
経過措置
令和8年度は、ロの要件(令和8年度特例要件)を満たす事業所に限り、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳと職場環境等要件について、令和9年3月末までに整備することを誓約すれば、申請時点で要件を満たしているものとして扱う特例がある(令和8年度 基本通知 3(1)②〜⑤・⑦)。ロの要件を満たさない事業所は、この誓約を使えない。つまりロの要件を満たしていれば、6月からの算定に間に合わなかった事業所でも、誓約して上位区分を取り、年度内に整備を終える動き方ができる。誓約は計画書の総括表の誓約欄に記載する。期限までに整備できなければ翌年度の算定に影響し、実態がないのに誓約していた場合は加算の返還や指定の取消しの対象になりうる。誓約した要件と担当者、期限を一覧にして管理する。
6月に間に合わなかった要件があっても、誓約すれば上の区分で算定を始められるんですね。
ロの要件を満たしている事業所ならね。始められるけれど、期限までに整備が終わらないと翌年度の算定に響くし、実態がないまま誓約していれば返還の対象にもなりうるんだ。誓約した時点で、整備の予定を担当者ごとに決めておこう。
加算率一覧(2026年6月サービス分から)
主なサービスの加算率。加算単位数は「所定単位数 × 加算率」で計算し、1単位未満は四捨五入する。
所定単位数には、ほかの加算も含めて計算するんですか?
含めるんだ。基本報酬と各種加算を合計した単位数に加算率をかけるよ。処遇改善加算そのものは入れないから、そこだけ気をつけよう。
| サービス | Ⅰロ | Ⅰイ | Ⅱロ | Ⅱイ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 28.7% | 27.0% | 26.6% | 24.9% | 20.7% | 17.0% |
| 定期巡回・夜間対応型 | 27.8% | 26.7% | 25.7% | 24.6% | 20.4% | 16.7% |
| 訪問入浴介護 | 13.3% | 12.2% | 12.7% | 11.6% | 10.1% | 8.5% |
| 通所介護 | 12.0% | 11.1% | 11.8% | 10.9% | 9.9% | 8.3% |
| 地域密着型通所介護 | 12.7% | 11.7% | 12.5% | 11.5% | 10.5% | 8.9% |
| 通所リハビリテーション | 11.1% | 10.3% | 10.8% | 10.0% | 8.3% | 7.0% |
| 認知症対応型通所介護 | 23.6% | 21.6% | 22.9% | 20.9% | 18.5% | 15.7% |
| 小規模多機能型居宅介護 | 18.6% | 17.1% | 18.3% | 16.8% | 15.6% | 12.8% |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | 17.7% | 16.8% | 17.4% | 16.5% | 15.3% | 12.5% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 22.8% | 21.0% | 22.0% | 20.2% | 17.9% | 14.9% |
| 特定施設・地域密着型特定施設 | 15.9% | 14.8% | 15.3% | 14.2% | 13.0% | 10.8% |
| 特養・地域密着型特養・短期入所生活介護 | 17.6% | 16.3% | 17.2% | 15.9% | 13.6% | 11.3% |
| 老健・短期入所療養介護(老健) | 9.7% | 9.0% | 9.3% | 8.6% | 6.9% | 5.9% |
| 介護医療院・短期入所療養介護(医療院等) | 6.6% | 6.2% | 6.2% | 5.8% | 4.7% | 4.0% |
新規対象の訪問看護(1.8%)、訪問リハビリテーション(1.5%)、居宅介護支援・介護予防支援(2.1%)は区分がなく単一の加算率。
月あたりいくら増えるか(計算例)
モデルは通所介護、月間の所定単位数120,000単位(処遇改善加算を除く基本報酬と各種加算の合計)、地域区分「その他」(1単位10.00円)。
| 区分 | 加算率 | 加算単位/月 | 加算額/月 | 加算額/年 | Ⅳとの差/月 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰロ | 12.0% | 14,400 | 144,000円 | 1,728,000円 | +44,400円 |
| Ⅰイ | 11.1% | 13,320 | 133,200円 | 1,598,400円 | +33,600円 |
| Ⅱロ | 11.8% | 14,160 | 141,600円 | 1,699,200円 | +42,000円 |
| Ⅱイ | 10.9% | 13,080 | 130,800円 | 1,569,600円 | +31,200円 |
| Ⅲ | 9.9% | 11,880 | 118,800円 | 1,425,600円 | +19,200円 |
| Ⅳ | 8.3% | 9,960 | 99,600円 | 1,195,200円 | — |
同じ事業所が1級地(1単位10.90円)にあれば、Ⅰロの加算額は月156,960円になる。地域区分で1割近く変わるので、他社の事例をそのまま当てはめない。
判断の見方。ⅡイからⅡロへの上乗せは月10,800円、年間129,600円。ケアプランデータ連携システムの年額2万円強で取れるなら、初年度から回収できる。一方、ⅡイからⅠイ(キャリアパス要件Ⅴ)は月2,400円しか変わらない。Ⅴの実体はサービス提供体制強化加算等の算定なので、そちらの加算額と合わせて判断する。
計算例の数値は加算率と単価から機械的に算出したもの。実際の加算単位数の端数処理は利用者ごと・月ごとに行われるため、合計は数百円〜数千円ずれる。
ⅡイからⅡロで月10,800円、年で13万円くらい。システムの利用料が年2万円なら、取らない理由がないですね。
そう見えるよね。ただ加算は全額を賃金改善に回すから、事業所の利益にはならないんだ。取るかどうかは「増える加算額から要件のコストを引いて、職員の賃金にいくら回せるか」で判断しよう。
同じ通所介護でも、1級地にあれば加算額は変わるんですよね。
1単位の単価が違うから、地域区分で1割近く変わるんだ。他社の事例をそのまま当てはめずに、自社の地域区分で計算し直そう。
実務の手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)
年度の途中から区分を上げる場合は、いつまでに何を出せばいいですか?
計画書は算定を始める月の前々月末まで、体制届は前月15日までが基本だよ。施設系は体制届が前月1日になるから、そこは気をつけよう。
| 時期 | やること | 担当 | 帳票・提出先 |
|---|---|---|---|
| 算定開始月の前々月末まで | 処遇改善計画書の提出(年度途中で新規算定・区分変更する場合) | 事務長 | 別紙様式2 → 都道府県・指定権者 |
| 毎年4月15日まで | 年度当初の処遇改善計画書の提出 | 事務長 | 別紙様式2 → 都道府県・指定権者 |
| 算定開始月の前月15日まで | 介護給付費算定に係る体制等に関する届出(施設系は前月1日) | 事務長 | 体制等状況一覧表 → 指定権者 |
| 計画書提出前 | 賃金規程・就業規則の改定(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅲ) | 管理者・社労士 | 就業規則変更届 → 労基署 |
| 算定開始前 | 職場環境等要件の取組内容の公表(Ⅰ・Ⅱ) | 管理者 | 自社ホームページまたは介護サービス情報公表システム |
| 毎年7月31日まで | 実績報告書の提出 | 事務長 | 別紙様式3-1・3-2 → 都道府県・指定権者 |
提出期限は年度ごとに厚労省と指定権者が指定する。令和8年度は、4月・5月から算定する事業所は6月以降分とあわせて4月15日、6月から算定する事業所と新設サービス(訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援など)は6月15日が期限だった(介護保険最新情報 Vol.1469)。7月以降に算定を始める場合は原則どおり前々月末で、東京都のように別に案内を出す自治体もある。実績報告書は最終の加算の入金があった月の翌々月末で、通常は翌年度の7月31日。
よくあるつまずき
Ⅱイの要件を満たしていなくても、ケアプランデータ連携システムに入ればⅡロになれますか?
残念ながら、それではなれないんだ。ロは「イの要件+特例要件」だから。いちばん多い勘違いなので、区分変更の前に要件表を一段ずつ確認しておこう。
取組内容を計画書には書いたけれど、公表はまだという場合は?
計画書に書くだけでは、見える化要件を満たせないんだ。Ⅰ・Ⅱはホームページや情報公表システムでの公表が要件だからね。算定を始める前に公表まで済ませておこう。
- 「ロ」を要件緩和と誤解する。ロはイの要件をすべて満たしたうえで特例要件を追加する区分。Ⅱイの要件を満たしていない事業所がケアプランデータ連携システムに加入してもⅡロは取れない
- 職場環境等要件の項目数を数え間違える。Ⅰ・Ⅱは生産性向上の区分だけ3項目で、しかも「体制構築」「課題の見える化」のどちらかが必須。他の5区分と同じ2項目で申請して差し戻される
- 見える化要件を忘れる。Ⅰ・Ⅱは取組内容の公表が要件。計画書に書いただけでは満たさない
- キャリアパス要件Ⅳの年額440万円を基本給だけで見る。判定は賃金改善後の年額で、手当・賞与を含む。逆に言えば、処遇改善手当と賞与を含めて440万円に届く職員がいれば満たせる
- 要件Ⅴをサービス提供体制強化加算と切り離して管理する。介護福祉士の退職で提供体制強化加算の区分が落ちると、処遇改善加算ⅠもⅡに落ちる。人員基準の管理と加算管理を同じ表で見る
- 誓約の期限管理が抜ける。令和9年3月末までに整備する誓約で上位区分を取った場合、年度内に規程改定と研修計画を終えないと加算の返還になりうる。誓約した要件と担当者、期限を一覧にしておく
経理・管理側の視点
全額を賃金改善に回すとなると、加算額を全部、額面の給与で使い切らないといけませんか?
法定福利費の事業主負担が増えた分も、賃金改善額に含めていいんだ。だから加算額の全部を額面の給与に回す必要はないよ。
処遇改善加算は売上ではあるが、全額を賃金改善に充てることが算定要件なので、利益にはならない。損益計算書では介護報酬収入と人件費が同額ずつ増える。法定福利費の事業主負担増加分も賃金改善額に含めてよいので、加算額の全額を額面の給与に回す必要はない。
区分を上げると加算率が固定的に上がるが、賃金も固定費として上がる。上位区分を取った後で要件を維持できなくなると、加算は減るのに賃金は簡単に下げられない。区分変更の判断では、加算額の増分だけでなく、要件を維持し続けられるか(介護福祉士の配置、440万円の職員の維持)を人事と一緒に確認する。
まず、うちの職場環境等要件が何項目あるかを数えるところからですね。
それと、介護福祉士の配置とキャリアパス要件Ⅳの440万円の職員が来年も維持できるかを、人事と一緒に確認しておくといいよ。上げたあとで落とすほうが痛いからね。
出典
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。
