居宅介護支援の加算・減算一覧|居宅介護支援費の単位数と処遇改善加算2.1%(令和8年度)

結論(この記事でわかること)
ミナ管理者に「うちの居宅で取りこぼしている加算がないか、一覧で見たい」と言われました。居宅介護支援の加算は、いくつあるんですか?
ジムチョー地域の加算を除くと9種類で、2026年6月から処遇改善加算が加わったんだ。額でいうと、利用者全員に毎月つく特定事業所加算がほとんどを占めていて、下の計算例の事業所だと、加算の取り方の差だけで月40万円くらい変わるよ。
ミナ一番重いのは特定事業所加算で、ほかの加算は入院や退院があった件数で積み上がる、ということですね。
ジムチョーそういうことだね。それと、減算も一覧で持っておこう。特定事業所集中減算に当たると、特定事業所加算まで取れなくなるからね。
居宅介護支援の報酬は、居宅介護支援費(基本報酬)に、加算9種類(地域の加算を除く)と減算5種類を足し引きして決まる。単位数は2024年度改定のときのままで、2026年6月の改正(令和8年度の臨時改定、告示第87号)で介護職員等処遇改善加算(2.1%)が加わった。居宅介護支援は利用者負担がない(介護保険法第46条)ので、加算の取りこぼしも減算も、そのまま国保連からの入金の差になる。
| 種類 | 名前 | 単位数 | 算定の単位 | 体制届 |
|---|---|---|---|---|
| 基本報酬 | 居宅介護支援費(Ⅰ)(Ⅱ) | 要介護1・2は1,086、要介護3〜5は1,411(件数が多い部分は下がる) | 利用者1人・1月 | (Ⅱ)は要る |
| 加算 | 初回加算 | 300 | 1月 | 要らない |
| 加算 | 特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A) | 519/421/323/114 | 利用者全員・1月 | 要る |
| 加算 | 特定事業所医療介護連携加算 | 125 | 利用者全員・1月 | 要る |
| 加算 | 入院時情報連携加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 250/200 | 1人1月1回 | 要らない |
| 加算 | 退院・退所加算(Ⅰ)イ〜(Ⅲ) | 450〜900 | 入院・入所期間中に1回 | 要らない |
| 加算 | 通院時情報連携加算 | 50 | 1人1月1回 | 要らない |
| 加算 | 緊急時等居宅カンファレンス加算 | 200 | 1人1月2回まで | 要らない |
| 加算 | ターミナルケアマネジメント加算 | 400 | 1月 | 要る |
| 加算 | 介護職員等処遇改善加算(2026年6月から) | 1月の総単位数の2.1% | 1月 | 要る(計画書も) |
| 減算 | 運営基準減算 | 所定単位数の50%。2か月以上続くと算定しない | 利用者ごと | — |
| 減算 | 特定事業所集中減算 | 1月200単位を減らす | 利用者全員 | — |
| 減算 | 高齢者虐待防止措置未実施減算 | 所定単位数の1% | 利用者全員 | — |
| 減算 | 業務継続計画未策定減算 | 所定単位数の1% | 利用者全員 | — |
| 減算 | 同一建物減算 | 所定単位数の95%を算定 | 対象の利用者 | — |
押さえる点は3つ。
- お金の大半は基本報酬と特定事業所加算。下の計算例の事業所では、基本報酬が約76%、特定事業所加算が約20%で、件数で取る加算は約2%
- 件数で取る加算は、体制届が要らないかわりに日付と記録で決まる。入院時情報連携加算は入院日から数え、退院・退所加算は情報を受けた回数で区分が決まる
- 減算には、問題が起きなくても当たるものがある。虐待防止の委員会や業務継続計画がないだけで利用者全員に1%、同一建物減算は建物の条件だけで当たる
居宅介護支援費(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数
居宅介護支援費は、要介護度で2段階しかないんですね。
そうなんだ。要介護1・2と要介護3〜5の2つで、あとはケアマネ1人あたりの件数で(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)に分かれるよ。(Ⅱ)は、ケアプランデータ連携システムを使って事務職員を置く事業所が、単位数が下がり始める件数を45件から50件に延ばせる区分なんだ。
| 区分 | ケアマネ1人あたりの件数 | 要介護1・2 | 要介護3〜5 |
|---|---|---|---|
| (Ⅰ)(ⅰ) | 45件未満の部分 | 1,086単位 | 1,411単位 |
| (Ⅰ)(ⅱ) | 45件以上60件未満の部分 | 544単位 | 704単位 |
| (Ⅰ)(ⅲ) | 60件以上の部分 | 326単位 | 422単位 |
| (Ⅱ)(ⅰ) | 50件未満の部分 | 1,086単位 | 1,411単位 |
| (Ⅱ)(ⅱ) | 50件以上60件未満の部分 | 527単位 | 683単位 |
| (Ⅱ)(ⅲ) | 60件以上の部分 | 316単位 | 410単位 |
件数(取扱件数)は、月末に給付管理をしている利用者の数に、介護予防支援の利用者の数の3分の1を足し、ケアマネジャーの常勤換算数で割って出す(2024年度改定で2分の1から3分の1になった)。単位数が下がるのは45件((Ⅱ)は50件)以上の部分だけで、契約日の古い利用者から順に(ⅰ)を割り当てる。 数え方と、どの利用者にⅱを割り当てるかは居宅介護支援費の逓減制と取扱件数にまとめた。
(Ⅱ)は、ケアプランデータ連携システムを利用し、事務職員を置いて(常勤でなくても、同じ法人内の配置でもよい)、市町村に届け出た事業所が算定する(ケアプランデータ連携システム)。
1単位の単価は、居宅介護支援は訪問介護などと同じ人件費割合が高いグループで、1級地11.40円〜7級地10.21円、その他10.00円(告示第93号)。同じ6級地でも通所介護は10.27円、居宅介護支援は10.42円なので、通所介護の単価で試算すると収入は少なく出る(地域区分と1単位の単価)。金額にしたあとの1円未満は切り捨てる(告示第20号の三)。
加算の一覧(単位数・要件・取りこぼしやすい点)
加算は、届け出て毎月つくものと、出来事があったときに取るものに分かれるんですね。
そうなんだ。特定事業所加算や処遇改善加算は届け出て毎月つくもので、入院や退院の加算は届出が要らないかわりに、日付と記録で取れるかどうかが決まるよ。
届出が要らないほうが、かえって取りこぼしやすそうです。
そのとおりだね。誰かが気づかないと請求に載らないから、入退院の連絡を受けた日に記録を残す流れにしておこう。
届け出て毎月つく加算
| 加算 | 単位数 | 主な要件 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 特定事業所加算(Ⅰ) | 519単位/月 | 常勤専従の主任ケアマネ2人以上と、常勤専従のケアマネ3人以上(合計5人以上)。その月の利用者の40%以上が要介護3〜5 | 要介護3〜5の割合は、算定する月ごとに見る |
| 特定事業所加算(Ⅱ) | 421単位/月 | 常勤専従の主任ケアマネ1人以上と、常勤専従のケアマネ3人以上(合計4人以上) | ケアマネが1人欠けると(Ⅲ)の人数になる |
| 特定事業所加算(Ⅲ) | 323単位/月 | 常勤専従の主任ケアマネ1人以上と、常勤専従のケアマネ2人以上(合計3人以上) | 主任の更新研修が切れると算定できない |
| 特定事業所加算(A) | 114単位/月 | 常勤専従の主任ケアマネ1人以上、常勤専従のケアマネ1人以上、常勤換算で1人以上のケアマネ。24時間連絡体制・研修・実務研修の実習への協力・他法人との事例検討会は、他の事業所との連携で満たしてよい | 連携先との取り決めと、実施の記録を残す |
| 特定事業所医療介護連携加算 | 125単位/月 | 前々年度の3月から前年度の2月までに、退院・退所加算の算定に係る病院等との連携が合計35回以上、ターミナルケアマネジメント加算が15回以上。特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)を算定 | (A)では算定できない。15回の経過措置は2026年3月で終わった |
| 介護職員等処遇改善加算 | 総単位数の2.1% | 賃金改善と、令和8年度特例要件か処遇改善加算Ⅳに準ずる要件(下の節) | 処遇改善計画書も出す |
特定事業所加算には、ほかに全区分に共通する要件(定期的な会議、24時間連絡体制、計画的な研修、困難事例の受入れ、特定事業所集中減算を受けていない、ケアマネ1人あたりの利用者が45人未満(居宅介護支援費(Ⅱ)なら50人未満)など)がある。要件の一覧、人数の数え方、増員したときの収支は特定事業所加算(居宅介護支援)にまとめた。
出来事があった月に取る加算(届出は要らない)
| 加算 | 単位数 | 算定の単位 | 主な要件 | 取りこぼしやすい点 |
|---|---|---|---|---|
| 初回加算 | 300単位 | 1月 | 新規に居宅サービス計画を作る(要支援から要介護になって居宅サービス計画を作る場合を含む)か、要介護状態区分が2区分以上変わった。運営基準減算に当たる月は算定しない | 2区分以上の区分変更を見落とす |
| 入院時情報連携加算(Ⅰ) | 250単位 | 1人1月1回 | 入院した日のうちに、病院・診療所の職員に必要な情報を提供(入院の前に提供した場合を含む。営業時間後や休業日の入院は翌日まで) | 入院を家族から数日後に聞く |
| 入院時情報連携加算(Ⅱ) | 200単位 | 1人1月1回 | 入院の翌日か翌々日に提供(営業時間後に入院し、3日目が休業日なら、その翌日まで) | 提供した日時・相手・内容の記録がない |
| 退院・退所加算 | (Ⅰ)イ450、(Ⅰ)ロ600、(Ⅱ)イ600、(Ⅱ)ロ750、(Ⅲ)900単位 | 入院・入所期間中に1回 | 病院・施設の職員と面談して情報を受け、居宅サービス計画を作り、利用開始月に調整。情報を受けた回数(1回・2回・3回以上)とカンファレンスの有無で区分が決まる | 初回加算を算定する月は算定しない |
| 通院時情報連携加算 | 50単位 | 1人1月1回 | 医師・歯科医師の診察に同席し、利用者の情報を提供し、医師等から情報を受けて、居宅サービス計画に記録 | 同席しても計画に記録していない |
| 緊急時等居宅カンファレンス加算 | 200単位 | 1人1月2回まで | 病院・診療所の求めで、医師・看護師等と居宅を訪問してカンファレンスを行い、必要に応じてサービスを調整 | 病院からの求めだったことを記録していない |
入院時情報連携加算、退院・退所加算、初回加算の区分の詳しい決まりと、取りこぼしで落とす額は初回加算・入院時情報連携加算・退院退所加算にまとめた。運営基準では、利用を始めるときに「入院したら担当ケアマネの氏名と連絡先を病院に伝えてほしい」と利用者・家族に求めることになっている(基準省令第4条第4項)。この説明が、入院を早く知るいちばんの手立てになる。
ターミナルケアマネジメント加算(届出が要る)
在宅で亡くなった利用者について、終末期の医療やケアの方針の意向を把握し、死亡日と死亡日前14日以内に2日以上居宅を訪問して心身の状況などを記録し、主治医とサービス事業者に提供した場合に、死亡した月に400単位を算定する。24時間連絡できる体制を市町村に届け出る。2024年度改定で、末期の悪性腫瘍に限らず、医師が回復の見込みがないと診断した利用者に広がった(支援経過に、その診断を確かめた日と方法を書く)。
地域の加算
特別地域居宅介護支援加算(所定単位数の15%、届出が要る)、中山間地域等の小規模な事業所の加算(10%、届出が要る)、中山間地域等に住む利用者に通常の事業の実施地域を越えて提供した場合の加算(5%)がある。対象の地域は告示で決まっている。
処遇改善加算(2.1%)の要件と1件あたりの単位数
処遇改善加算は介護職員のためのものだと思っていました。居宅介護支援でも取れるんですね。
2026年6月から、居宅介護支援も対象になったんだ。区分はなくて2.1%の1本で、ケアプランデータ連携システムを使っていれば、キャリアパスの要件をそろえなくても算定できるよ。
処遇改善加算の単位数は、居宅介護支援費に各加算・減算を足した1月の総単位数(処遇改善加算を除く)に2.1%をかけたもの(告示第20号のヌ「イからリまでにより算定した単位数の1000分の21」、基本通知2(1))。特定事業所加算を取っている事業所ほど、処遇改善加算も増える。
| 満たし方 | 内容 |
|---|---|
| 必ず満たす | 加算額以上の賃金改善(法定福利費などの事業主負担の増加分を含めてよい)、処遇改善計画書の届出、実績報告 |
| どちらか① 令和8年度特例要件 | ケアプランデータ連携システムを利用している、または法人が社会福祉連携推進法人に所属している。まだ使っていなくても、加入して利用すると誓約すれば申請時から満たすものとして扱われ、令和9年3月末までに利用して実績報告で報告する |
| どちらか② 処遇改善加算Ⅳに準ずる要件 | キャリアパス要件Ⅰ(職位などに応じた任用要件と賃金体系を就業規則等で定めて周知)、キャリアパス要件Ⅱ(研修の計画と実施)、職場環境等要件(5つの区分で各1つ以上、生産性向上で2つ以上)。令和8年度は、令和9年3月末までに整えると誓約すれば申請時から満たすものとして扱われる |
1人あたりにすると、次の単位数になる(1単位未満は四捨五入。実際は利用者ごとの明細書で計算する)。
| 1人の1月の単位数 | 処遇改善加算 |
|---|---|
| 要介護1・2(1,086単位) | 23単位 |
| 要介護3〜5(1,411単位) | 30単位 |
| 要介護1・2と特定事業所加算(Ⅱ)(1,507単位) | 32単位 |
| 要介護3〜5と特定事業所加算(Ⅱ)(1,832単位) | 38単位 |
届出は、体制届が算定を始める月の前月15日まで、処遇改善計画書がその年度に初めて算定する月の前々月の末日まで(基本通知4)。賃金改善は「介護職員その他の職員」が対象なので、ケアマネジャーや事務職員の賃金改善に充てられる。利用者負担がないので、利用者の支払いは増えない。区分のある他のサービスとの違いや実績報告は処遇改善加算の区分と要件、加算額は処遇改善加算シミュレーターで居宅介護支援を選ぶと試算できる。
減算の一覧(運営基準減算・同一建物減算など)

減算は、何か問題が起きたときだけの話と考えていいですか?
そう考えるのは避けたほうがいいね。虐待防止と業務継続計画の減算は、委員会や計画といった備えがないだけで利用者全員に1%かかるし、同一建物減算は建物の条件だけで当たるからなんだ。
| 減算 | 当たる場合 | 減り方 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 運営基準減算 | 契約時の説明(複数の事業者の紹介を求められることなど)、アセスメントでの居宅訪問と面接、サービス担当者会議、計画の説明・同意・交付、月1回のモニタリングと記録、更新・区分変更のときの担当者会議のどれかを守っていない | 所定単位数の50%。2か月以上続くと居宅介護支援費を算定しない。その月は初回加算も算定しない | 守っていない月から、解消した月の前月まで |
| 特定事業所集中減算 | 前6か月の計画に位置付けた訪問介護・通所介護・地域密着型通所介護・福祉用具貸与のどれかで、同じ事業者の割合が正当な理由なく80%を超える | 1月200単位を減らす。特定事業所加算も算定できない | 前期(3〜8月)の判定で10月〜3月、後期(9〜2月)の判定で4月〜9月 |
| 高齢者虐待防止措置未実施減算 | 虐待防止の委員会の定期的な開催、指針、年1回以上の研修、担当者のどれかがない | 所定単位数の1% | 事実が生じた月の翌月から、改善が認められた月まで |
| 業務継続計画未策定減算 | 感染症と災害の業務継続計画を作り、必要な措置を講じていない | 所定単位数の1% | 事実が生じた月の翌月(月の初日なら当月)から、解消した月まで |
| 同一建物減算 | 事業所と同じ建物、同じ敷地や隣の敷地の建物に住む利用者、または事業所の利用者が20人以上住む建物の利用者 | その利用者の所定単位数の95%を算定 | 当たる月 |
運営基準減算の対象になる基準は、基準省令の第4条第2項と第13条の第7号・第9号〜第11号・第14号・第15号(告示第95号の第82号)。モニタリングは月1回、居宅を訪問して面接するのが原則で、文書での同意と、担当者会議などで主治医や担当者の合意を得た場合は、2か月に1回の訪問とし、訪問しない月はテレビ電話装置等で面接できる。2024年度改定で、契約時に「前6か月の紹介先の割合」を説明することは努力義務になり、減算の対象から外れた。
高齢者虐待防止、業務継続計画、同一建物の3つの減算は2024年度改定で新しくできた。業務継続計画未策定減算は、居宅介護支援には2025年3月まで経過措置があったが、いまは当たれば減算になる。同一建物減算は、広い敷地に建物が点在する場合や、道路・河川で隔てられて迂回が要る場合は当たらない例とされ、建物の管理・運営法人が事業所と違っても当たる。
加算の取り方で月いくら違うか(計算例)

加算を取れている事業所と取りこぼしている事業所
常勤専従のケアマネ3人(うち主任ケアマネ1人)、利用者105人(要介護1・2が60人、要介護3〜5が45人。介護予防支援はなし)、6級地(居宅介護支援の1単位10.42円)の事業所。ケアマネ1人あたり35件なので、全員が(Ⅰ)(ⅰ)になる。常勤専従が3人なので、特定事業所加算は(Ⅲ)まで取れる。ある月に、新規3件と2区分以上の区分変更1件、入院3件、退院2件(継続の利用者)があったとする。
| 項目 | 加算を取れている事業所 | 取りこぼしている事業所 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援費 要介護1・2 | 1,086 × 60人 = 65,160単位 | 同じ |
| 居宅介護支援費 要介護3〜5 | 1,411 × 45人 = 63,495単位 | 同じ |
| 特定事業所加算(Ⅲ) | 323 × 105人 = 33,915単位 | 0(24時間連絡体制や他法人との事例検討会がそろわず、届け出ていない) |
| 初回加算 | 300 × 4件 = 1,200単位 | 300 × 3件 = 900単位(区分変更を見落とす) |
| 入院時情報連携加算 | (Ⅰ)250 × 3件 = 750単位 | (Ⅱ)200 × 2件 = 400単位(1件は間に合わない) |
| 退院・退所加算 | (Ⅱ)ロ 750 × 2件 = 1,500単位 | (Ⅰ)イ 450 × 2件 = 900単位 |
| 小計 | 166,020単位 | 130,855単位 |
| 処遇改善加算(2.1%) | 166,020 × 2.1% = 3,486単位 | 0(算定していない) |
| 合計 | 169,506単位 | 130,855単位 |
| 金額(× 10.42円) | 1,766,252円/月 | 1,363,509円/月 |
差は月402,743円、年4,832,916円。内訳は、特定事業所加算353,394円(差の約88%)、処遇改善加算36,324円、初回・入院時・退院の加算の差13,025円(年156,300円)。処遇改善加算の36,324円は賃金改善に回すので、事業所に残る差は月366,419円になる。地域区分が「その他」(10.00円)なら、差は月386,510円。
単位数は告示第20号のもの(2024年度改定の単位数のまま、2026年6月に処遇改善加算が加わった)。処遇改善加算は実際には利用者ごとの明細書で計算するので、端数で数単位ずれる。
減算に当たると
同じ事業所(6級地、10.42円)で計算する。
| 減算 | 計算 | 減る額 |
|---|---|---|
| 特定事業所集中減算 | 200単位 × 105人 = 21,000単位(218,820円)と、特定事業所加算(Ⅲ)の353,394円 | 月572,214円、6か月で約343万円 |
| 業務継続計画未策定減算 | 1%を利用者ごとに四捨五入(要介護1・2は11単位、要介護3〜5は14単位)。11 × 60人 + 14 × 45人 = 1,290単位 | 月13,441円、年約16万円 |
| 運営基準減算(要介護3〜5の1人で月1回の訪問が抜ける) | 1,411単位の50%で約706単位 | その月7,356円。2か月続くと1,411単位全部で月14,702円 |
| 運営基準減算(要介護1の新規の利用者で、担当者会議を開かずに計画を交付) | 居宅介護支援費が543単位減り、初回加算300単位も算定しない。合計843単位 | 8,784円 |
集中減算は、6か月ごとの判定で割合が偏ると、次の6か月は特定事業所加算まで止まる。1件ごとの減算より、仕組みで避ける減算のほうが額は大きい。
差の9割近くが特定事業所加算なんですね。入院や退院の加算は、1か月だと1万円ちょっとです。
1か月だと小さく見えるけど、年にすると15万円を超えるんだ。それに退院・退所加算の連携の回数は、特定事業所医療介護連携加算の35回の実績にもなるよ。
うちに置き換えるときは、常勤専従の人数と、入退院の件数を入れればいいですか?
そうだね。まず常勤専従と主任の人数で取れる特定事業所加算の区分を決めて、件数で取る加算は入退院台帳の1年分を12で割って入れると、実態に近い数字になるよ。
実務の手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)
毎月の請求の前に、何を確かめればいいですか?
月末に3つ見るといいよ。特定事業所加算の要件を満たしているかの記録、新規・区分変更・入退院の一覧から取れる加算、それに運営基準減算に当たる利用者がいないか。この3つを、給付管理票を作る前に済ませておこう。
| 時期 | 作業 | 担当 | 帳票 |
|---|---|---|---|
| 利用開始時 | 重要事項を説明して同意を得る。入院したら担当ケアマネの氏名と連絡先を病院に伝えるよう頼む | ケアマネジャー | 重要事項説明書、契約書 |
| 入院・退院・通院同席・カンファレンスの日 | その日のうちに日時・相手・内容を記録。入院時は情報提供書を送り、送った記録を残す | ケアマネジャー | 居宅介護支援経過(第5表)、入院時情報提供書 |
| 毎月 | 月1回のモニタリング(テレビ電話の月は2か月に1回の訪問)と記録 | ケアマネジャー | モニタリングの記録 |
| 毎月末まで | 特定事業所加算の基準の遵守状況を記録する(常勤専従と主任の人数、1人あたりの件数、要介護3〜5の割合、会議・研修) | 管理者 | 遵守状況の記録(2年間保存) |
| 毎月末から翌月10日まで | 新規・区分変更・入退院・通院同席・カンファレンス・看取りの一覧で加算を判定し、運営基準減算と同一建物減算に当たる利用者を確かめて請求 | 管理者・請求担当 | 加算の判定表、給付管理票、介護給付費明細書 |
| 前期(3〜8月)・後期(9〜2月)の終わり | 特定事業所集中減算の判定の書類を作る。80%を超えるサービスがあれば、前期は9月15日、後期は3月15日までに出す | 事務長 | 集中減算の判定の書類 |
| 届出が要る加算を始める・やめる月の前月15日まで | 体制届を出す。要件を満たさなくなったら速やかに出す | 事務長 | 体制等状況一覧表 |
| 処遇改善加算を初めて算定する月の前々月の末日まで | 処遇改善計画書を出す。年度が終わったら実績報告 | 事務長 | 処遇改善計画書、実績報告書 |
| 年1回以上 | 虐待防止の研修と委員会、業務継続計画の見直し | 管理者 | 研修と委員会の記録、業務継続計画 |
算定の根拠として残す記録は次のとおり。
| 加算・減算 | 根拠になる記録 |
|---|---|
| 初回加算 | 契約日、区分変更の認定通知の写し、居宅サービス計画(第1〜3表) |
| 入院時情報連携加算 | 入院日(営業時間後か休業日か)、情報を提供した日時・相手・手段・内容 |
| 退院・退所加算 | 面談とカンファレンスの日時・相手・内容。何回目の情報提供か |
| 通院時情報連携加算、緊急時等居宅カンファレンス加算 | 同席・訪問した日、医師等とやりとりした情報、病院・診療所からの求め(カンファレンス)、調整した内容 |
| ターミナルケアマネジメント加算 | 意向の把握、医師が回復の見込みがないと診断したことを確かめた日と方法、訪問日(死亡日と死亡日前14日以内に2日以上)、主治医と事業者への提供 |
| 運営基準減算に当たらないこと | 説明と同意の記録、アセスメントの訪問記録、サービス担当者会議の要点(第4表)、計画の交付の記録、モニタリングの記録 |
体制届の期限と算定を始められる月の関係は体制届の提出期限、請求したあとに誤りに気づいたときの取下げは加算の返戻と過誤調整にまとめた。
よくあるつまずき
新規の利用者さんで、担当者会議を開く前に計画を交付してしまった月は、初回加算はどうなりますか?
その月は運営基準減算に当たるから、初回加算は取れないんだ。居宅介護支援費も半分になるから、新規の月こそ会議、説明と同意、交付の順番を守ろう。
金曜の夜に入院して、事業所が土日休みのときは、月曜に情報を出しても間に合いますか?
月曜なら(Ⅱ)に間に合うよ。営業時間後の入院だと(Ⅰ)は翌日の土曜まで、(Ⅱ)は3日目の日曜が休業日なのでその翌日の月曜まで延びるんだ。入院の日時もあわせて記録しておこう。
- 運営基準減算の月に初回加算をつける。新規の月に担当者会議や計画の交付が抜けると、居宅介護支援費が50%になり、初回加算も算定できない
- 入院時情報連携加算の日の数え方を間違える。営業時間後や休業日の入院は(Ⅰ)が翌日まで延び、営業時間後の入院で3日目が休業日なら(Ⅱ)もその翌日まで延びる。金曜の営業時間後に入院し土日が休みなら、(Ⅰ)は土曜まで、(Ⅱ)は月曜まで
- 退院・退所加算と初回加算を同じ月につける。初回加算を算定する月は退院・退所加算を算定しない。退院と同時に新しく担当する利用者は、どちらで算定するかを請求の前に決め、その記録をそろえる
- 特定事業所加算の人数を、算定する月で確かめていない。退職・休職・産休で常勤専従が欠ける月、ケアマネの常勤換算数が減って1人あたりの利用者が45人以上になる月、(Ⅰ)で要介護3〜5が40%を下回る月が出る。要件を満たさなくなったときから算定できないので、速やかに届け出る
- 特定事業所集中減算の判定の書類を作っていない。80%を超えるかどうかにかかわらず、すべての事業所が前期・後期ごとに割合を出して書類を残す
- 処遇改善加算を誓約で始めて、そのままにする。ケアプランデータ連携システムの利用やキャリアパス要件の整備を誓約した場合は、令和9年3月末までに済ませて実績報告で報告する
- 同一建物減算を見落とす。サービス付き高齢者向け住宅などに事業所の利用者が20人以上住んでいると、事業所と離れた建物でも当たる。建物ごとに利用者数を数える
- 虐待防止の研修や業務継続計画の見直しの記録がない。計画や指針を作っても、委員会・研修の記録がないと「措置を講じていない」と見られやすい
経理・管理側の視点
経営会議では、居宅介護支援の収入をどう見せればいいですか?
「基本報酬」「特定事業所加算」「件数で取る加算」「処遇改善加算」の4つに分けて並べるといいよ。性格が違うから、分けておくと増減の理由が説明しやすくなるんだ。
居宅介護支援は利用者負担がないので、報酬の全額が国保連から、サービスを提供した月の翌々月に入る(資金繰りと国保連の入金)。取りこぼした加算と減算は、2か月後の入金がそのまま減る形で表れる。
| 区分 | 計算例での割合 | 何で決まるか | 管理側が見るもの |
|---|---|---|---|
| 基本報酬 | 約76% | 利用者数と要介護度、ケアマネ1人あたりの件数 | 1人あたりの件数(45件・50件の手前か) |
| 特定事業所加算 | 約20% | 常勤専従と主任の人数、共通要件 | 退職予定、主任の更新期限、要介護3〜5の割合 |
| 件数で取る加算 | 約2% | 入退院・新規・区分変更への対応と記録 | 入院件数に対する入院時情報連携加算の件数、退院・退所加算の区分の内訳 |
| 処遇改善加算 | 約2% | 賃金改善と要件 | 加算額と賃金改善額(加算は全額賃金に回す) |
基本報酬と特定事業所加算で9割を超えるので、収入を左右するのは人の配置と件数になる。ケアマネが1人退職すると、担当していた利用者の基本報酬に加えて、特定事業所加算の区分が下がれば利用者全員の加算が下がる。採用や増員は、特定事業所加算の区分とあわせて判断したい。
件数で取る加算は額こそ小さいが、直せば翌月から効く。入院時情報連携加算の算定率が低い事業所は、利用開始時の説明と家族からの連絡の流れを見直す。減算のうち虐待防止・業務継続計画・集中減算の判定は、どれも事務の仕組みで防げるので、年間の予定表に入れて担当を決めておく。運営指導で見られる記録は運営指導で見られる帳票、業務継続計画の作り方はBCPの作り方と運用にある。
まずは、うちの事業所で取れている加算と取れていない加算を、この一覧で確かめてみます。
それがいいね。取れていない加算があったら、要件が足りないのか、記録が足りないのかを分けて見ておこう。直し方がまったく違うからね。
出典
- 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)別表(令和8年厚生労働省告示第87号による改正後)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第10号の2、第82号〜第85号の4
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第56号
- 厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第4条、第13条(e-Gov法令検索)
- 留意事項通知(老企第36号)令和6年度改正の新旧対照表 第3(居宅介護支援費に関する事項)
- 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)(老発0313第6号、令和8年3月13日)2(1)・2(2)・3(2)・4
- 介護保険法 第46条(e-Gov法令検索)
- 新宿区 加算の体制状況の届出について[居宅介護支援]
- 神戸市 特定事業所集中減算の判定の手続き(居宅介護支援)
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。
