介護報酬の地域区分とは?1単位いくら(10円〜11.40円)の単価表と自社の級地の調べ方

結論(この記事でわかること)
ミナ施設長に「うちの介護報酬は1単位いくらで計算しているの?」と聞かれました。10円だと思っていたんですが、違うんですか?
ジムチョー10円なのは、「その他」の地域と一部のサービスだけなんだ。事業所のある地域の級地とサービスの種類で決まって、いまは10円から11.40円までの間なんだよ。
ミナ同じ単位数でも、地域とサービスで入ってくる金額が最大14%違うということですね。
ジムチョーそういうことだね。まずは事業所ごとに級地と単価を確かめて、2027年4月の改定で級地が動いたときの影響額も出せるようにしておこう。
介護報酬は「単位」で決まっていて、円にするときに1単位の単価をかける。単価は、事業所の所在地の地域区分(1級地〜7級地とその他の8区分)と、サービスの人件費割合(70%・55%・45%の3区分)の組み合わせで、10円から11.40円までの間で決まる(厚生労働大臣が定める一単位の単価、平成27年厚生労働省告示第93号)。1級地の訪問介護(11.40円)は、同じ単位数でも「その他」(10円)より14%多く入る。
| 押さえる点 | 内容 |
|---|---|
| 単価の決まり方 | 事業所の所在地の級地 × サービスの人件費割合。利用者の住所では決まらない |
| 円への直し方 | 利用者ごと・サービスごとに1か月の単位数 × 単価で、1円未満は切り捨て。利用者負担(1〜3割)は円にしたあとで計算する |
| いまの級地 | 令和6年4月からの表を令和8年度末(2027年3月)まで使う。2026年6月の臨時改定では変わっていない |
| 次の見直し | 公務員の地域手当が7区分から5区分になったのを受けて、令和9年度改定での対応を検討中。2026年末頃に市町村へ令和9年度からの区分を示す予定 |
事務長・経営者が押さえる点は3つ。
- 単価は事業所ごとに違う。所在地とサービスの組み合わせごとに確かめる
- 予算と実績は単位数で持つ。円は最後に単価をかけて出す
- 級地が動いたときの影響額は、月の単位数 × 単価の差。年末に新しい区分が示されたら、すぐ計算する
地域区分と1単位の単価(級地ごとの単価表)

級地が同じなら、どのサービスも同じ単価になるんですか?
そこがややこしいところで、サービスの人件費割合で3つに分けて単価を変えているんだ。人件費の割合が高い訪問系ほど、級地の上乗せが大きく効くよ。
介護保険法は、介護報酬を「事業所の所在する地域等を勘案して」決めるとしている(第41条第4項)。この地域差を反映するのが地域区分で、原則として公務員(国家・地方)の地域手当の区分に準拠し、市区町村ごとに級地を決めている(第262回 資料3)。
| 地域区分 | 上乗せ割合 | 人件費割合70% | 人件費割合55% | 人件費割合45% |
|---|---|---|---|---|
| 1級地 | 20% | 11.40円 | 11.10円 | 10.90円 |
| 2級地 | 16% | 11.12円 | 10.88円 | 10.72円 |
| 3級地 | 15% | 11.05円 | 10.83円 | 10.68円 |
| 4級地 | 12% | 10.84円 | 10.66円 | 10.54円 |
| 5級地 | 10% | 10.70円 | 10.55円 | 10.45円 |
| 6級地 | 6% | 10.42円 | 10.33円 | 10.27円 |
| 7級地 | 3% | 10.21円 | 10.17円 | 10.14円 |
| その他 | 0% | 10.00円 | 10.00円 | 10.00円 |
どのサービスがどの人件費割合に入るかも告示で決まっている(介護予防のサービスは本体と同じ区分)。
| 人件費割合 | サービス |
|---|---|
| 70% | 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援、介護予防支援 |
| 55% | 訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護 |
| 45% | 通所介護、地域密着型通所介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院 |
| 上乗せなし | 居宅療養管理指導、福祉用具貸与(どの地域でも10円) |
表の単価は、10円 ×(1 + 上乗せ割合 × 人件費割合)と一致する。1級地の通所介護なら 20% × 45% = 9%の上乗せで10.90円。3級地の55%(8.25%)のように割り切れないところは、小数第3位を四捨五入した値になる。
この表は令和6年厚生労働省告示第86号による改正(2024年4月施行)のもので、2026年6月の臨時改定でも変わっていない(第262回 資料3 も「令和6〜8年度」の表として載せている)。総合事業の訪問型・通所型サービスはこの表に入っていないので、市町村の案内で確かめる。
自社の級地の調べ方

うちの事業所が何級地かは、どこを見れば分かりますか?
告示の第二号の表に、級地ごとに都道府県と市区町村が並んでいるんだ。そこに載っていない市区町村は「その他」だよ。
一次情報は、告示第93号の第二号の表(厚生労働省の法令等データベースで見られる)。同じ一覧は、第262回 資料3 の6ページ「地域区分の適用地域(令和6〜8年度)」にもある。
| 地域区分 | 市区町村の数 | 例 |
|---|---|---|
| 1級地 | 23 | 東京都の特別区 |
| 2級地 | 7 | 横浜市、川崎市、大阪市、町田市など |
| 3級地 | 29 | さいたま市、千葉市、名古屋市、八王子市など |
| 4級地 | 24 | 相模原市、藤沢市、神戸市、豊中市など |
| 5級地 | 59 | 京都市、堺市、広島市、福岡市など |
| 6級地 | 137 | 仙台市、宇都宮市、静岡市、奈良市など |
| 7級地 | 170 | 札幌市、新潟市、浜松市、岡山市など |
| その他 | 1,292 | 上に載っていない市区町村 |
全国1,741の市区町村(特別区を含む)のうち1,292が「その他」。調べるときは次の4点を押さえる。
- 級地は市区町村ごとに1つ。サービスの種類で級地は変わらない。サービスで変わるのは人件費割合、つまり単価のほう
- 事業所の所在地で決まる。告示は、事業所が「所在する地域区分」で単価を決めるとしている。利用者の住所地は関係ない
- サテライト(出張所)は出張所の所在地。介護給付費明細書の単位数単価は、出張所の所在地の単価を書く(記載要領)
- 合併があっても令和6年4月1日時点の区域で見る。告示の表は同日の名称と区域で示したもので、その後の名称や区域の変更には影響されない(告示の備考)
事業所の地域区分は、体制届の「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」の項目にもなっている(留意点通知 第5の1①)。
令和6年4月時点で、1,741自治体のうち1,544は公務員の地域手当に準拠し、残る197は経過措置(80)か特例(117)で級地を決めている(第262回 資料3)。特例は、より高い(低い)級地に囲まれている場合などに、隣接する地域の級地まで上げ下げを認めるもの。自社の所在地がどれに当たるかは、市町村の介護保険の担当課に聞くと確かめられる。
加算算定シミュレーターと処遇改善加算シミュレーターは、都道府県と市区町村を選ぶと級地と1単位の単価が表示され、その単価で計算する。
単位数を円にする計算(端数処理と利用者負担)
円にするのは、サービス1回ごとですか?それとも月にまとめてですか?
請求では、利用者ごと・サービスの種類ごとに1か月の単位数を合計してから単価をかけて、1円未満を切り捨てるんだ。利用者負担はそのあとに計算するよ。
指定居宅サービスの費用の額は、1単位の単価に単位数をかけて出し、1円未満は切り捨てる(算定基準 平成12年厚生省告示第19号 二・三)。居宅サービスの留意事項通知(老企第36号)は、端数の扱いを2段階に分けている。
| 段階 | 端数の扱い |
|---|---|
| 単位数を出すとき | 加算・減算で割合をかけるたびに、小数点以下を四捨五入して整数にする。割合が重なるときも、1回ずつ整数にしてから次の割合をかける |
| 円にするとき | 1円未満は切り捨て。通知の例は、1か月の合計単位数に単価をかけている |
居宅サービスの請求の明細書では、利用者ごと・サービスの種類ごとに次の順で計算する(介護給付費請求書等の記載要領、様式第2の請求額集計欄)。
- 費用の額 = 給付単位数 × 単位数単価(1円未満切り捨て)
- 保険請求額 = 費用の額 × 保険給付率(1円未満切り捨て)
- 利用者負担額 = 費用の額 − 保険請求額(公費があれば公費の請求額と本人負担も引く)
保険給付率は90%で、一定以上の所得がある人は80%か70%になる(介護保険法 第41条第4項、第49条の2)。これが利用者負担の1割・2割・3割。利用者負担は円にしたあとの残りなので、保険請求額を切り捨てた1円未満の分だけ、ちょうど1割の額より多くなることがある。サービスのたびに利用者負担を集めている事業所では、月の利用者負担額と集めた額の合計が一致しないことがある(記載要領)。
在宅サービスの上限である区分支給限度基準額は単位数で決まっていて、要支援1の5,032単位から要介護5の36,217単位まで(平成12年厚生省告示第33号)。使える単位数は地域区分に左右されない。円で説明するときだけ単価が効き、要介護2の19,705単位は、その他の地域で197,050円、1級地で訪問介護だけを使えば224,637円になる。
級地で月いくら変わるか(計算例)

同じ規模の通所介護と訪問介護が「その他」「4級地」「1級地」にある場合を比べる。1か月の総単位数(加算・処遇改善加算を含む)は、通所介護400,000単位、訪問介護160,000単位と仮定する。
| 事業所 | 月の単位数 | その他 | 4級地 | 1級地 |
|---|---|---|---|---|
| 通所介護(45%) | 400,000単位 | 10.00円 → 4,000,000円 | 10.54円 → 4,216,000円 | 10.90円 → 4,360,000円 |
| 訪問介護(70%) | 160,000単位 | 10.00円 → 1,600,000円 | 10.84円 → 1,734,400円 | 11.40円 → 1,824,000円 |
| 事業所 | 4級地とその他の差 | 1級地とその他の差 |
|---|---|---|
| 通所介護 | 月216,000円(年2,592,000円) | 月360,000円(年4,320,000円) |
| 訪問介護 | 月134,400円(年1,612,800円) | 月224,000円(年2,688,000円) |
実際の請求は利用者ごとに円にして1円未満を切り捨てるので、事業所の合計は上の額よりわずかに少なくなる(差は利用者1人・1サービスあたり1円未満)。
利用者1人の例として、4級地の通所介護で1か月9,876単位を使った1割負担の利用者と仮定する。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 費用の額 | 9,876単位 × 10.54円 = 104,093.04円(1円未満切り捨て) | 104,093円 |
| 保険請求額(90%) | 104,093円 × 90% = 93,683.7円(1円未満切り捨て) | 93,683円 |
| 利用者負担額 | 104,093円 − 93,683円 | 10,410円 |
費用の額のちょうど1割は10,409.3円だが、保険請求額を切り捨てるので、利用者負担は10,410円になる。
同じ単位数でも、1級地の通所介護は「その他」より年に432万円多くなるんですね。
単位数が同じなら、差はそのまま単価の差なんだ。ただ、単価が高い地域は人件費も高い前提で決まっているから、利益が同じだけ増えるわけではないよ。
ほかの地域の事業所と比べるときは、円ではなく単位数で比べたほうがいいということですか?
そうだね。売上を単位数で並べてから、それぞれの単価をかけると、地域の差と事業の差を分けて見られるよ。
令和9年度改定に向けた地域区分の見直し(決まったことと検討中)
2027年4月の改定で、級地が変わることはあるんですか?
あり得るんだ。級地のもとにしている公務員の地域手当が、7区分から5区分に変わったからね。介護報酬のほうをどうするかは、まだ分科会で検討している段階だよ。
決まるのはいつごろですか?
2026年の年末頃に、令和9年度からの区分を市町村に示す予定なんだ。そこで自社の所在地の級地が動くかを確かめて、影響額を出しておこう。
2026年9月30日時点の状況を、決まったことと検討中に分ける。改定全体の論点は2027年度改定の論点まとめにある。
| 項目 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 国家公務員の地域手当 | 2024年8月の人事院勧告で、級地の単位を市町村から都道府県を基本に広げ、7区分(20〜3%)を5区分(20・16・12・8・4%)に再編。2025年度から段階的に実施(引下げは4ポイント以内、1年1ポイントずつ) | 決まっている |
| 地方公務員の地域手当 | 同様の見直し。総務省の方針を踏まえて各市町村が設定する | 市町村ごとに設定 |
| 介護報酬の地域区分 | 公務員の地域手当に準拠してきたことを踏まえ、令和9年度改定での対応をどう考えるかが分科会の論点(第262回) | 検討中 |
| いまの経過措置 | 平成27年度の見直しで設けた経過措置は、令和8年度末(2027年3月)まで延長されている | 令和9年度以降は検討中 |
| スケジュール | 2026年2〜3月に市町村への意向調査、2026年度以降に分科会で議論、2026年末頃に市町村へ令和9年度からの地域区分を示す | 予定(第252回) |
公務員の新しい区分は、東京都を2級地、神奈川県と大阪府を3級地、愛知県と京都府を4級地、埼玉県・千葉県など11県を5級地として都道府県全体に当て、それと異なる級地の地域(東京都の特別区、横浜市、名古屋市など)を個別に指定する形(16都府県と79市)。介護報酬の地域区分をこれにどこまで合わせるかは、まだ決まっていない。判断の材料は3つある。
- 過去には激変を和らげる経過措置があった。平成27年度の見直しでは、見直し前と後の上乗せ割合の範囲内で、市町村の意向を確認して設定できるようにした。3年ごとに段階的に引き上げることもできる(第252回)
- 上がる地域も下がる地域もあり得る。地域区分の見直しでは、支給割合が上がる自治体も下がる自治体もある(第252回)。令和6年度改定の審議報告も、地域差を反映する費用の範囲について「財政中立を原則として」検討すべきとしている(第262回)
- 市町村の意向が効く。級地が上がれば保険給付も利用者負担も増え、保険料にも響く。藤沢市(いまは4級地)は2026年2月の介護保険運営協議会で、公務員の新しい区分と同じ2級地(16%)になった場合に、保険給付費が年約5.3億円増えるという試算を示している
級地が動いたときの影響額の出し方
影響額は、月の総単位数 × (新しい単価 − いまの単価)。上乗せ割合が1ポイント動くと、単価は人件費割合70%のサービスで0.07円、55%で0.055円、45%で0.045円動く(実際の単価は小数第2位までなので、1銭ほどずれることがある)。
仮に上乗せ割合が2ポイント下がると、上の例の通所介護(400,000単位)は0.09円 × 400,000 = 月36,000円(年432,000円)、訪問介護(160,000単位)は0.14円 × 160,000 = 月22,400円(年268,800円)の減収になる。上がる場合は同じ額の増収。処遇改善加算も単位数で出してから円にするので、加算を含めた総単位数で計算する。
2027年改定 影響額シミュレーターは、地域区分を選んで改定の影響を出せる。地域区分を切り替えて2回計算すると、級地が動いたときの差も見られる。改定全体の日程は介護報酬改定2027のスケジュールにまとめている。
実務の手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)
いまのうちにやっておくことは何ですか?
事業所ごとに、告示の級地と、介護ソフトに入っている単価が合っているかを確かめることだね。年末に新しい区分が示されたらすぐ影響額を出せるように、月の単位数も集めておこう。
| 時期 | やること | 担当 | 帳票・資料 |
|---|---|---|---|
| いま(2026年10〜11月) | 事業所ごと(サテライトを含む)に所在地の級地を告示の表で確かめ、サービスごとの単価を一覧にする | 事務長 | 告示第93号の第二号の表、体制等状況一覧表の控え |
| いま | 介護ソフトの事業所設定の地域区分と、明細書の単位数単価が一覧と合っているかを確かめる | 請求担当 | 介護給付費明細書(請求額集計欄) |
| いま | 所在地が経過措置や特例に当たるか、見直しについての市町村の考えを、介護保険の担当課に聞く | 事務長 | 市町村の介護保険運営協議会などの資料 |
| 毎月 | 事業所ごとに月の総単位数(加算・処遇改善加算を含む)を記録する | 請求担当 | 請求の集計表 |
| 2026年末頃 | 市町村に示される令和9年度からの地域区分を確かめ、影響額を2027年度の予算に入れる | 事務長 | 影響額の試算表、予算書 |
| 2027年3月(告示) | 確定した級地と単価、介護ソフトの単価の更新を確かめる。料金表と重要事項説明書の料金を差し替えて利用者に知らせる。体制届の要否を指定権者の案内で確かめる | 事務長・請求担当 | 料金表、重要事項説明書、体制等状況一覧表 |
| 2027年5月(4月サービス分の請求) | 明細書の単位数単価が新しい単価になっているかを確かめる | 請求担当 | 介護給付費明細書 |
| 移転・サテライトの開設時 | 移転先・出張所の所在地の級地を先に確かめて収支計画に入れる。月の途中で級地の違う地域へ移る月は、月内で最も高い単価を書く(記載要領) | 事務長 | 事業計画、変更届 |
体制届の提出期限と算定開始月の関係は体制届の提出期限、事業所ごとの単価を加算の台帳と一緒に管理する方法は加算の算定管理の仕組み化にまとめている。
よくあるつまずき
訪問介護で、隣の市の利用者を訪問したときは、隣の市の級地で計算するんですか?
それはよく迷うところだね。単価は事業所のある地域で決まるから、利用者がどこに住んでいても、事業所の所在地の単価で請求するよ。
サテライトの事業所を別の市に置いている場合はどうなりますか?
サテライトは、出張所のある場所の単価を明細書に書く決まりなんだ。本体と級地が違うことがあるから、開設の前に確かめておこう。
- 利用者の住所地の級地で計算する。単価は事業所の所在地で決まる
- サテライトを本体の単価で請求する。明細書には出張所の所在地の単価を書く
- 1回ごとに円にして足す。月の単位数を合計してから単価をかけ、1円未満を切り捨てる
- 居宅療養管理指導や福祉用具貸与に上乗せの単価をかける。この2つはどの地域でも10円
- 区分支給限度基準額を円で管理する。限度額は単位数で決まっている。円に直した額で管理すると、単価の高い地域では使える量を読み違える
- 合併した市町村の級地を新しい市の名前で探す。告示の表は令和6年4月1日時点の名称と区域で示している
経理・管理側の視点
経営会議では、地域区分をどう説明すればいいですか?
売上の「量」は単位数、「値段」は地域区分で決まる、と分けて説明するといいよ。量は利用者数とサービス内容で動くけれど、値段は所在地とサービスの種類で決まって、改定のときに見直されるんだ。
介護事業の売上は「単位数 × 単価」。単位数は利用者数とサービス内容で、単価は事業所の所在地とサービスの種類で決まる。予算と実績は単位数で持ち、円は最後に単価をかけて出す。こうすると、地域の差(単価)と事業の差(単位数)を分けて見られる。複数の事業所や地域を持つ法人は、事業所ごとに単価をかけてから法人の合計にする。
地域区分は、人件費の地域差を反映する仕組み(第262回 資料3)で、単価の高い地域は賃金の相場も高い前提で決まっている。級地が上がっても同じだけ賃金の相場が上がれば利益は増えないし、級地が下がって賃金が下がらなければ、その分だけ利益が削られる。
令和9年度の見直しは、上がる場合も下がる場合もあり得る。2027年度の予算は、年末に示される区分で単価を置き換えて作り、告示で確定したら差し替える。処遇改善加算の額も単価で円になるので、処遇改善加算シミュレーターで所在地を選び直して確かめる。
まずは事業所ごとの級地と単価の一覧を作って、介護ソフトの設定と照らし合わせます。
それが最初の一歩だね。年末に新しい区分が示されたら、その一覧の単価を置き換えるだけで影響額が出せるよ。
出典
- 厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号、令和6年厚生労働省告示第86号による改正後)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス及び居宅療養管理指導に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)
- 介護給付費請求書等の記載要領について(老老発第31号)令和6年6月の新旧対照
- 居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)
- 介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について(老発0315第1号 令和6年3月15日)
- 介護保険法 第41条・第49条の2(e-Gov法令検索)
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第262回 資料3 地域区分(令和8年8月5日)
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第252回 資料2 地域区分について(報告)(令和7年12月26日)
- 藤沢市 介護報酬の地域区分の見直しに係る意向の確認について(令和7年度第4回藤沢市介護保険運営協議会 資料1)
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。
