入院時情報連携加算・退院退所加算・初回加算とは?居宅介護支援の算定要件と日数の数え方
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結論(この記事でわかること)
ミナ利用者さんが入院していたことを、退院後に家族から聞きました。入院時情報連携加算はもう取れませんよね。
ジムチョー入院した日から数える要件だから、残念ながら取れないんだ。入院した日のうちに病院へ情報を出せば250単位、翌日か翌々日なら200単位。退院のときは、病院などから情報を得た回数とカンファレンスへの参加で、450〜900単位になるよ。
ミナ要件は満たしていても、連絡が遅れたり記録が足りなかったりするだけで、算定できなくなる加算なんですね。
ジムチョーそうなんだ。入院を早く知る仕組みと記録の残し方を決めておけば、取りこぼしは減らせるよ。下の計算例の事業所だと、連絡と記録の差で年9万円くらい変わるんだ。
初回加算と入退院の加算は、要件を満たしていてもタイミングと記録を逃すと算定できない加算。単位数と要件は2024年度改定のままで、2026年6月の令和8年度改定でも変わっていない。居宅介護支援の加算・減算の全体は居宅介護支援の加算・減算一覧にまとめた。
| 加算 | 単位 | 取りこぼしの典型 |
|---|---|---|
| 入院時情報連携加算(Ⅰ)/(Ⅱ) | 250/200単位/月 | 入院を知るのが遅れ、入院した日のうち(Ⅰ)、翌日か翌々日(Ⅱ)に出せない |
| 退院・退所加算(Ⅰ)イ〜(Ⅲ) | 450〜900単位 | カンファレンス参加の記録が不十分で、下位の区分になる |
| 初回加算(居宅介護支援) | 300単位/月 | 要支援から要介護への移行、2区分以上の変更を数え忘れる |
| 初回加算(訪問介護) | 200単位/月 | サービス提供責任者の初回訪問・同行の記録がない |
| 初回加算(訪問看護)(Ⅰ)/(Ⅱ) | 350/300単位/月 | 退院当日の訪問を計画に入れていない |
入院時情報連携加算は2024年度改定で、「入院後3日以内」「7日以内」から「入院した日のうち」「翌日か翌々日」に短くなり、単位数も上がった((Ⅰ)200→250、(Ⅱ)100→200)。
入院時情報連携加算・退院退所加算・初回加算の算定要件

(Ⅱ)は入院の翌日か翌々日なので、少しは余裕がありますね。
2日しかないとも言えるんだ。事業所が休みの日の入院には配慮した決まりがあるけれど、家族から連絡が来なければどうにもならない。利用開始時に「入院したら当日連絡してほしい」と家族に頼んでおくのが、いちばん効く対策だよ。
家族から当日に連絡をもらえれば、(Ⅰ)も狙えますね。
そうだね。その日のうちに病院へ情報を出せれば(Ⅰ)になるんだ。予定入院なら、入院の前に出しておいても(Ⅰ)に入るよ。
入院時情報連携加算(Ⅰ)250単位・(Ⅱ)200単位
| 区分 | 単位 | 要件 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 250単位 | 利用者が入院した日のうちに、病院・診療所の職員に必要な情報を提供。入院日より前の情報提供も含む。営業時間が終わってから、または営業日以外の日に入院した場合は、入院の翌日まで含む |
| (Ⅱ) | 200単位 | 入院した日の翌日か翌々日に提供((Ⅰ)の日を除く)。営業時間が終わってから入院し、入院日から数えて3日目が営業日でない場合は、その翌日まで含む |
(Ⅰ)と(Ⅱ)はどちらか1つを、利用者1人につき1月に1回まで算定する。営業時間と営業日は、運営規程に定めたもの。
入院した曜日別、いつまでに情報を出すか
月〜金が営業日で土日が休みの事業所の例(告示第95号第85号、令和6年度Q&A Vol.1 問119)。
| 入院したとき | (Ⅰ)の期限 | (Ⅱ)の期限 |
|---|---|---|
| 水曜の営業時間内 | 水曜のうち | 木曜か金曜 |
| 水曜の営業時間後 | 水曜か木曜 | 金曜 |
| 金曜の営業時間後 | 金曜か土曜 | 日曜か月曜 |
| 金曜の営業時間内 | 金曜のうち | 土曜か日曜 |
金曜の営業時間内の入院は、休みの日まで延びる決まりがない。金曜のうちに出せないと、(Ⅱ)の2日間が休みの土日になる。入院日より前に出す場合、何日前からという定めはないが、間があきすぎるときは入院の原因なども踏まえて判断する(同 問118)。
提供する情報と方法
告示は「心身の状況や生活環境等の必要な情報」と定める。厚生労働省の標準様式(入院時情報提供書〈在宅版〉)は、基本情報、家族・連絡先、意思疎通、お薬、かかりつけ医、入院前の生活機能など11項目で、この様式でなくてもよい。面談でも文書(FAX・メール等)でもよいが、FAXなどは先方が受け取ったことを確かめ、確かめたことを居宅サービス計画等に記録する(平成30年3月 VOL.629 問139)。提供した日時、相手、内容、手段も残す。
退院・退所加算(退院退所加算)450〜900単位
| 区分 | 単位 | 情報を得た回数 | カンファレンス |
|---|---|---|---|
| (Ⅰ)イ | 450単位 | 1回 | なし(カンファレンス以外の方法) |
| (Ⅰ)ロ | 600単位 | 1回 | カンファレンスで得た |
| (Ⅱ)イ | 600単位 | 2回以上 | なし(カンファレンス以外の方法) |
| (Ⅱ)ロ | 750単位 | 2回 | うち1回以上はカンファレンス |
| (Ⅲ) | 900単位 | 3回以上 | うち1回以上はカンファレンス |
病院・診療所や介護保険施設などから退院・退所する利用者について、その職員と面談して(テレビ電話装置等も可)必要な情報を得て、居宅サービス計画を作り、サービスの利用を調整した場合に算定する。入院・入所期間中につき1回まで。
- 同じ日に何度情報を得ても、カンファレンスに参加しても、1回と数える
- 情報は退院・退所の前に得るのが望ましいが、退院・退所後7日以内に得た場合も算定できる
- 算定するのは居宅サービスの利用を始めた月。退院・退所日の属する月の翌月末までに利用が始まらないと算定できない(平成21年3月 VOL.69 問66)
- 利用者・家族が参加する面談をテレビ電話装置等で行うときは、その利用への同意を得る
- 初回加算を算定する場合は、退院・退所加算は算定しない(告示の注)。入院時情報連携加算とは、同じ月に両方算定できる
カンファレンスの要件
(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)ロ・(Ⅲ)の「カンファレンス」は、病院・診療所なら診療報酬の退院時共同指導料2の注3を満たす会議。入院中の病院の医師や看護師等が、在宅側の医師・看護師等、歯科医師等、保険薬局の薬剤師、訪問看護ステーションの看護師やリハビリ職、ケアマネジャー、相談支援専門員のうち3者以上と共同して指導するもので、ケアマネジャーも3者の1つに数える。介護保険施設なら、施設の従業者と、入所者本人か家族が参加する会議が対象になる。参加したときは、日時・開催場所・出席者・内容の要点を居宅サービス計画等に記録し、利用者・家族に提供した文書の写しを添付する。
カンファレンスに参加したかどうかは、病院の記録を見れば分かりますよね。
病院の記録には頼らないほうがいいね。カンファレンスへの参加は上の区分の要件だから、日時・参加者・内容を自分の記録に残しておこう。
初回加算(居宅介護支援)300単位
次のいずれかで居宅サービス計画を新規に作成した月に算定する。運営基準減算に該当する月は算定できない。
- 新規に居宅サービス計画を作成した。過去2か月以上、その事業所で居宅介護支援を提供しておらず、算定もされていない利用者(平成21年3月 VOL.69 問62)。要支援から要介護になって居宅サービス計画を作る場合も含む。契約が先にあっても、初めて給付管理をして報酬請求する月が「新規」になる(平成18年4月 VOL.2 問11)
- 要介護状態区分が2区分以上変更され、居宅サービス計画を作成した
初回加算(訪問介護)200単位・(訪問看護)350/300単位
訪問介護は、新規利用者(過去2か月以上その事業所の訪問介護を利用していない)の初回訪問月に、サービス提供責任者が自ら訪問するか、他の訪問介護員に同行した場合。同行の記録(日時、サ責の氏名)が要る。
| 訪問看護の区分 | 単位 | 要件 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 350単位 | 新規に訪問看護計画書を作成した利用者に、病院・診療所・介護保険施設から退院・退所した日に、看護師が初回の訪問看護を実施(2024年度に新設) |
| (Ⅱ) | 300単位 | 新規に訪問看護計画書を作成した利用者に初回の訪問看護を実施((Ⅰ)を算定する場合は算定しない) |
年あたりいくらか(計算例)
居宅介護支援、利用者100人、地域区分「その他」(1単位10.00円)。年間の入院40件、退院30件、新規(初回加算の対象)60件。
| 加算 | 前提 | 計算 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 初回加算 | 60件 | 300単位 × 60 × 10.00円 | 180,000円 |
| 入院時情報連携加算 | (Ⅰ)20件、(Ⅱ)15件、間に合わず5件 | (250 × 20 + 200 × 15) × 10.00円 | 80,000円 |
| 退院・退所加算 | (Ⅱ)ロ 15件、(Ⅰ)イ 10件、算定なし5件 | (750 × 15 + 450 × 10) × 10.00円 | 157,500円 |
| 合計 | 417,500円 |
取りこぼしをなくし、退院・退所加算をすべて(Ⅱ)ロ以上にできれば、年額は 180,000 + 100,000(全件(Ⅰ)) + 225,000(30件×750) = 505,000円。差の約9万円が「連絡と記録」で決まる。
件数は例。退院の30件は、初回加算を算定しない継続の利用者とした(初回加算を算定する月は退院・退所加算を算定しない)。2026年6月からは居宅介護支援にも処遇改善加算(総単位数の2.1%)が加わり、算定している事業所では上の3つの加算の単位数にも2.1%が上乗せされる。417,500円なら約8,800円になる。
取りこぼしをなくすだけで、年間9万円変わるんですね。
体制ではなく業務フローで決まる加算だから、直せば翌月から効くんだ。入退院台帳を月末に見て、算定漏れを確認する工程を入れておこう。
差の大部分は、退院・退所加算の区分から来ているんですね。
連携の回数とカンファレンスへの参加がそろえば、同じ退院でも上の区分で取れるからね。入院中の面談とカンファレンスを、早めに予定へ入れておくといいよ。
実務の手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)

入院時の情報提供は文書でもよかったですよね。入院中の連携も同じですか?
連携のほうは面談が原則なんだ。回数で区分が決まるから、会うたびに日時・相手・内容を連携記録に残しておこう。
退院・退所加算は、退院した月に請求するんですか?
退院後に居宅サービスの利用が始まった月に算定するんだ。その月にケアマネジャーと請求担当で区分を判定して、初回加算と重なっていないかも確かめて請求しよう。
| 時期 | 作業 | 担当 | 帳票 |
|---|---|---|---|
| 利用開始時 | 入院時に事業所へ連絡する依頼を利用者・家族に説明。連絡先カードを渡す | ケアマネジャー | 重要事項説明書、連絡先カード |
| 入院を知った日 | 入院日と営業時間内か後かを確認し、当日((Ⅰ))か、翌日・翌々日((Ⅱ))までに病院へ情報提供。FAXなどは受領を確認して記録 | ケアマネジャー | 入院時情報提供書、送付記録 |
| 入院中 | 病院の職員と連携(面談)し、退院後の計画に必要な情報を得る。回数と内容を記録 | ケアマネジャー | 連携記録 |
| 退院前 | 退院前カンファレンスへの参加。日時・参加者・内容を記録 | ケアマネジャー | カンファレンス記録 |
| 退院後に居宅サービスの利用を始めた月 | 退院・退所加算の区分を、情報を得た回数とカンファレンスへの参加で判定して請求。初回加算を算定する月は外す | ケアマネジャー・請求担当 | 居宅サービス計画、請求明細 |
| 認定更新・区分変更の通知日 | 要支援→要介護、2区分以上の変更を確認し、初回加算の対象か判定 | ケアマネジャー | 認定通知の写し |
| 毎月末 | 入退院台帳で当月の入院・退院・新規を一覧にし、加算の算定漏れを確認(加算の算定管理の仕組み化) | 管理者 | 入退院台帳 |
よくあるつまずき
要介護度が2区分上がった利用者さんは、初回加算の対象になるんですか?
なるんだ。要支援から要介護への移行と、2区分以上の区分変更で計画を作り直したときも初回加算の対象。区分変更の通知を受けたら判定を入れよう。
情報提供の記録が「電話した」の一言だけ、という場合は?
それだと情報提供の記録としては足りないんだ。提供した内容と日時、相手の氏名を残す必要があるから、入院時情報提供書の様式を使おう。
- 入院を家族から数日後に聞く。入院日から数える要件なので、知った日が遅ければ算定できない。利用開始時に連絡ルールを作る
- 金曜の日中に入院し、当日に出せない。(Ⅱ)の期間が休みの土日になる。週末の連絡先も家族に渡しておく
- 情報提供の記録が「電話した」だけ。提供した情報の内容と日時、相手の氏名を残す。FAXなどは受領の確認も記録する
- カンファレンス参加の記録がない。(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)ロ・(Ⅲ)の要件。病院の記録に頼らず、自分の記録に残す
- 初回加算と退院・退所加算を同じ月に両方付ける。退院と同時に新しく担当する利用者は、どちらで請求するかを先に決める。両方請求したら過誤申立で直す(過誤申立と返戻の手順)
- 面談したのにサービスが始まらない。退院・退所日の属する月の翌月末までに利用が始まらないと算定できない
運営指導では、これらの記録の有無が確かめられる(運営指導で見られる帳票)。
よくある質問
現場から「この場合は取れますか」と、よく聞かれます。答えをまとめておきたいです。
聞かれる場面は決まっているから、根拠のQ&Aと一緒に決めておくと、現場も事務も迷わなくなるよ。
月をまたいで情報提供したり、入院した月にサービスの利用がなかったりしたら、算定できますか?
前月に居宅サービスを使っていた利用者が、入院した月は居宅サービス計画もサービスの利用もない場合は、前月分の請求日(翌月10日)までに情報提供したものに限り算定できる(平成21年3月 VOL.69 問64)。2024年度改定より前のQ&Aなので、(Ⅰ)(Ⅱ)の日数は改定後の告示で数える。
同じ月に再入院や転院があったら、何回算定できますか?
利用者1人につき1月に1回まで。(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方も算定できない(告示の注)。
FAXやメールで送れば、入院時情報連携加算を算定できますか?
提供方法は問わないが、先方が受け取ったことの確認と、その記録が要る(平成30年3月 VOL.629 問139)。
退院退所加算は、退院してから面談しても算定できますか?
退院・退所の前に得るのが望ましいが、退院・退所後7日以内に情報を得た場合も算定できる。退院が延びたときは、必要に応じて再度面談して直近の情報を得る(平成21年3月 VOL.69 問65)。
経理・管理側の視点
管理側は、月次でどんな数字を見ればいいですか?
入院件数、翌々日までに情報提供できた件数、退院件数、退院・退所加算の区分内訳の4つだよ。入退院台帳に並べておけば、どこで落としているかが見えてくるんだ。
これらの加算は「件数×単位」で決まる出来高型で、体制要件ではない。つまり、取りこぼしは体制の問題ではなく業務フローの問題で、直せば翌月から効く。
退院・退所加算の算定に係る病院等から情報を受けた回数は、特定事業所医療介護連携加算(125単位/月)の要件にも数える。前々年度の3月から前年度の2月までの合計が35回以上で、ターミナルケアマネジメント加算15回以上などの要件もある(告示第95号第84号の2)。特定事業所加算を目指す事業所は、情報を得た回数も台帳に残しておく(特定事業所加算(居宅介護支援)の要件管理)。
入院の翌々日までに情報提供できた率を、月次で見ればいいんですね。
8割を切るなら、家族との連絡ルールを見直すサインだよ。この率は加算だけでなく、退院後の計画の質にも直結するんだ。
出典
- 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(1.(3)⑦ 看護師による退院当日訪問の推進、1.(3)⑩ 入院時情報連携加算の見直し)
- 湖西市 2024年度介護報酬改定の変更ポイント 居宅介護支援
- 山口県 居宅介護支援費における初回加算の算定要件について
- 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(告示第20号)別表
- 厚生労働大臣が定める基準(告示第95号)第84号の2・第85号・第85号の2
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(告示第94号)第56号
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示第19号)初回加算
- 留意事項通知(老企第36号)令和6年度改正 新旧対照表 第3の16・17
- 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問118・問119
- 居宅介護支援費の加算・減算の適用要件一覧(Q&A)
- 入院時情報連携加算及び退院・退所加算に係る様式例の提示について(老振発0313001号)
- 診療報酬の算定方法(告示第59号)別表第一 B005 退院時共同指導料2の注3
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。

