デイサービスの稼働率の計算方法と平均は?通所介護・デイケアの利用率と1%上げると月いくらか

結論(この記事でわかること)
ミナ社長から「うちのデイの稼働率は何%? 平均と比べてどうなの?」と聞かれました。稼働率って、どう計算すればいいんですか?
ジムチョー1か月の延べ利用者数を「定員×営業日数」で割るんだ。福祉医療機構の2024年度決算の集計だと、通所介護の平均は70.7%だよ。
ミナ定員いっぱいに来てもらえた状態を100%として、実際に何割埋まったかを見るんですね。
ジムチョーそういうことだね。定員30人なら1%は月7.5回分で、介護報酬にすると月6万円ほどなんだ。月の平均だけで終わらせずに、曜日と時間区分に分けて見ておこう。
デイサービス(通所介護)の稼働率は、1か月の延べ利用者数 ÷(利用定員 × その月の営業日数) で出す。定員という設備と職員の枠を、実際の利用でどれだけ使えたかを表す数字で、福祉医療機構(WAM)の経営指標では「利用率」と呼んでいる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 式 | 延べ利用者数 ÷(利用定員 × 営業日数)。欠席した日は数えない。一体的に運営する総合事業の利用者も含める |
| 平均(通所介護) | 70.7%(WAM、2024年度決算、5,976事業所)。規模別は地域密着型74.6%、通常規模型68.9%、大規模型(Ⅰ)74.2%、(Ⅱ)76.8% |
| 黒字と赤字 | 黒字の事業所75.1%、赤字の事業所65.1%。利用者1人1日あたりの収入はほぼ同じで、差は稼働率に出ている |
| 平均(デイケア) | 介護老人保健施設の通所リハビリテーションで63.4%(WAM、2024年度決算) |
| 1%の重み | 定員30人・月25日営業なら月7.5回。1回7,995円(地域区分「その他」)の仮定で月59,962円、約6万円 |
押さえる点は3つ。
- 稼働率と、規模区分の「平均利用延人員数」は別の数字。規模の判定は時間区分で重みを付け、前年度の4月〜2月で数える
- 月の平均だけでは空きの場所が分からない。曜日別に出すと、どの曜日の空き枠をケアマネジャーに伝えればよいかが見える
- 稼働率と1回あたりの単位数は別々に動く。短い時間の利用が増えると、稼働率が上がっても介護報酬は思ったほど増えない
黒字になる稼働率(損益分岐点)の出し方はデイサービスの経営と黒字ラインにまとめている。この記事は、稼働率そのものの数え方と平均、介護報酬への効き方に絞る。
稼働率の計算方法と、似た指標との違い

稼働率は、登録している利用者の人数を定員で割るのとは違うんですか?
登録者の人数だと、週1回の人も週5回の人も同じ1人になってしまうんだ。稼働率は、実際に来た延べの回数を、定員いっぱいに来た場合の回数で割って出すよ。
総合事業の利用者さんは、数に入れますか?
一体的に運営しているなら入れておこう。定員は通所介護と総合事業の利用者を合わせて決めることになっているから、分子から外すと稼働率が低く出てしまうんだ。
稼働率 = 1か月の延べ利用者数 ÷(利用定員 × その月の営業日数)
利用定員は、運営規程に書いた「同時に指定通所介護の提供を受けることができる利用者の数の上限」(指定居宅サービス等基準 第95条・第100条)。延べ利用者数は、その月に実際に利用した回数の合計。WAMの「利用率」も、年間延べ利用者数(総合事業を含む)÷ 年間延べ定員数で、同じ考え方になっている。
似た名前の指標が多いので、何に使うかで分けておく。
| 指標 | 式 | 何に使うか |
|---|---|---|
| 稼働率(利用率) | 延べ利用者数 ÷(利用定員 × 営業日数) | 定員の枠をどれだけ使えたか。平均や前年と比べる |
| 1日平均利用者数 | 延べ利用者数 ÷ 営業日数 | 勤務表と送迎の便数。稼働率 × 定員と同じ値 |
| 利用者1人あたりの月の利用回数 | 延べ利用者数 ÷ 実利用者数(その月に1回以上来た人) | 1人に月何回(週何回)来てもらえているか。登録者が多くても回数が少なければ稼働率は上がらない |
| キャンセル率 | 欠席した回数 ÷ 予定していた回数 | 体調不良・入院・家族の都合など、予定が実績にならなかった割合 |
| 月平均の利用者数(定員超過の判定) | サービス提供日ごとの同時に利用した最大人数の合計 ÷ サービス提供日数(小数点以下を切り上げ) | 定員超過利用減算に当たるか(つまずきの節) |
| 平均利用延人員数(規模区分の判定) | 前年度の4月〜2月の延べ人数を、時間区分で重みを付けて数え、1か月あたりにする | 通常規模型・大規模型の区分(つまずきの節) |
登録者数を定員で割った数字(登録75人 ÷ 定員30人 = 250%など)を「稼働率」と呼ぶ事業所もあるが、ほかの事業所や平均とは比べられない。WAMの集計では、通常規模型の登録者数は平均77.2人、定員は32.1人だった。
数え方の決め事は、次の4つを社内でそろえておく。
- 分子に入れる利用者。通所介護の利用者と、一体的に運営している第一号通所事業(総合事業の通所型サービスのうち、従前の介護予防通所介護に相当するもの)の利用者。一体的に行う事業所は両方の利用者を合わせて利用定員を定め、合計が定員を超えると両方に定員超過利用減算がかかる(令和3年度介護報酬改定に関するQ&A Vol.3 問47)
- 分母の営業日数。その月に実際に営業した日。年末年始や台風による臨時休業の日は除き、理由を記録しておく。祝日に営業した日は含める
- 単位が2つ以上ある場合。午前と午後で別の単位にしているときなどは、単位ごとの定員の合計 × 営業日数を分母にし、単位ごとの稼働率も出す
- 時間の長さ。稼働率では、3時間の利用も8時間の利用も同じ1回。時間の違いは次の表で別に見る
月・曜日・時間区分で分けて見る理由
月の平均だけでは、どの曜日に空きがあるかが分からない。ケアマネジャーが新しい利用者を紹介するときは曜日で探すし、職員の勤務表も曜日で組む。定員30人の事業所の、ある月の例(仮定)。
| 曜日 | 営業日数 | 延べ定員 | 延べ利用者数 | 稼働率 | 1日平均 | 1日あたりの空き |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 4日 | 120回 | 96回 | 80.0% | 24.0人 | 6.0人 |
| 火 | 4日 | 120回 | 84回 | 70.0% | 21.0人 | 9.0人 |
| 水 | 4日 | 120回 | 90回 | 75.0% | 22.5人 | 7.5人 |
| 木 | 4日 | 120回 | 84回 | 70.0% | 21.0人 | 9.0人 |
| 金 | 5日 | 150回 | 115回 | 76.7% | 23.0人 | 7.0人 |
| 土 | 4日 | 120回 | 66回 | 55.0% | 16.5人 | 13.5人 |
| 計 | 25日 | 750回 | 535回 | 71.3% | 21.4人 | 8.6人 |
月の稼働率は71.3%と平均並みでも、土曜は55.0%しかない。土曜をほかの曜日並みの75%(90回)にできれば月24回増え、稼働率は74.5%になる。
時間区分も分けて見る。稼働率では同じ1回でも、1回あたりの単位数と、規模区分の判定での数え方が時間で違う。
| 時間区分(通常規模型) | 要介護1 | 要介護3 | 規模区分の判定での数え方 |
|---|---|---|---|
| 3時間以上4時間未満 | 370単位 | 479単位 | 2分の1 |
| 4時間以上5時間未満 | 388単位 | 502単位 | 2分の1 |
| 5時間以上6時間未満 | 570単位 | 777単位 | 4分の3 |
| 6時間以上7時間未満 | 584単位 | 796単位 | 4分の3 |
| 7時間以上8時間未満 | 658単位 | 900単位 | 1 |
| 8時間以上9時間未満 | 669単位 | 915単位 | 1 |
単位数は1回あたり(告示第19号 別表6 イ)。2024年度改定の単位数で、2026年6月の令和8年度臨時改定(改定率+2.03%のうち処遇改善加算+1.95%、食費の基準費用額+0.09%)では基本報酬は変わっていない。2時間以上3時間未満(対象になる利用者は告示で限られている)は4時間以上5時間未満の70%で、規模の判定では2分の1で数える。3時間以上4時間未満の要介護1(370単位)は、7時間以上8時間未満(658単位)の56%。短い時間の利用が増えると、稼働率は上がっても1回あたりの単価は下がる。
デイケア(通所リハビリテーション)で違うところ
デイケアの稼働率も、同じ式で出していいんですか?
式は同じでいいよ。違うのは規模区分の数え方で、1時間以上2時間未満の短い利用は4分の1で数えるんだ。リハビリの体制がそろっていれば、大規模型でも通常規模型の単位を取れる仕組みもあるよ。
| 項目 | 通所介護 | 通所リハビリテーション |
|---|---|---|
| 稼働率の式 | 延べ利用者数 ÷(利用定員 × 営業日数) | 同じ |
| 規模区分 | 平均利用延人員数750人以内が通常規模型、900人以内が大規模型(Ⅰ)、それを超えると(Ⅱ) | 750人以内が通常規模型、超えると大規模型。大規模型でも、リハビリテーションマネジメント加算を算定した利用者が80%以上で、専従の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者10人に1人以上(10人以下なら1人以上)いれば通常規模型の単位 |
| 規模の判定での数え方 | 3時間以上5時間未満(2時間以上3時間未満を含む)は2分の1、5時間以上7時間未満は4分の3、7時間以上は1 | 1時間以上2時間未満は4分の1、2時間以上4時間未満は2分の1、4時間以上6時間未満は4分の3、6時間以上は1 |
| 7時間以上8時間未満・要介護1 | 通常規模型658単位、大規模型(Ⅰ)629単位 | 通常規模型762単位、大規模型714単位 |
| 定員超過 | 月平均の利用者数が定員を超えると所定単位数の70% | 同じ(介護予防通所リハビリテーションと一体なら合算) |
| 1単位の単価(1級地〜その他) | 10.90円〜10.00円 | 11.10円〜10.00円 |
| 送迎をしない片道 | 47単位を減算 | 47単位を減算 |
規模区分は施設基準(告示第96号)第5号・第6号、換算は留意事項通知(老企第36号)の第二の7(4)(通所介護)と第二の8(通所リハビリテーション)の平均利用延人員数の取扱い、定員超過は告示第27号、単価は告示第93号による。地域密着型通所介護(定員18人以下)には規模区分がない。
稼働率の平均はどのくらいか(通所介護・デイケア)
平均はどのくらいなんですか? 社長は「8割はいってほしい」と言っています。
福祉医療機構の2024年度決算の集計で、通所介護全体は70.7%、黒字の事業所でも75.1%なんだ。8割は、規模別でいちばん高い大規模型(Ⅱ)の76.8%も上回る目標だね。
赤字の事業所は65.1%ですから、黒字と赤字で10ポイント違うんですね。
そうなんだ。利用者1人1日あたりの収入はほとんど変わらないから、差はほぼ稼働率の差だと見ていいよ。
稼働率の平均を、定員と延べ利用者数から出して公表している公的な集計に、WAMのものがある。WAMが融資先から受けた2024年度決算の報告を集計したもので、開設後1年未満の事業所は含まず、利用率は総合事業の利用者を含めて計算している。融資先に限った集計なので、全国の全事業所の平均ではない。厚生労働省の介護事業経営概況調査(令和7年度)は、1事業所の延べ利用者数(通所介護で月639.3人)は出しているが、定員の項目がないので稼働率は出せない。
| 区分(2024年度決算) | 事業所数 | 定員 | 年間営業日数 | 利用率 | 1日平均(定員 × 利用率) | 赤字の割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 通所介護 全体 | 5,976 | 30.0人 | 303.3日 | 70.7% | 21.2人 | 44.8% |
| 地域密着型 | 1,625 | 17.9人 | 293.6日 | 74.6% | 13.4人 | 40.6% |
| 通常規模型 | 3,923 | 32.1人 | 306.0日 | 68.9% | 22.1人 | 48.3% |
| 大規模型(Ⅰ) | 233 | 46.6人 | 316.6日 | 74.2% | 34.6人 | 30.5% |
| 大規模型(Ⅱ) | 195 | 68.7人 | 313.6日 | 76.8% | 52.8人 | 27.7% |
| 認知症対応型通所介護 | 502 | 13.1人 | 309.8日 | 65.5% | 8.6人 | 35.9% |
1日平均は当サイトで定員 × 利用率を計算したもの。全体の利用率は2023年度決算の69.6%から1.1ポイント上がった。WAMのリサーチレポートは、通常規模型について、利用者単価よりも利用率に課題があり、登録者数を増やすなど利用率を高める取り組みが重要だとしている。
黒字と赤字で分けると、差は稼働率に出る。
| 指標(2024年度決算) | 黒字の事業所(3,296) | 赤字の事業所(2,680) |
|---|---|---|
| 利用率 | 75.1% | 65.1% |
| 定員 | 30.7人 | 29.1人 |
| 登録者数 | 82.1人 | 68.1人 |
| 利用者1人1日あたりの収入 | 9,558円 | 9,490円 |
| 人件費率 | 60.0% | 76.9% |
2023年度と2024年度の両方のデータがある事業所では、赤字から黒字に転じた504事業所の利用率が65.2%から71.4%へ6.2ポイント上がり、黒字から赤字に転じた611事業所は70.2%から66.6%へ3.6ポイント下がっていた。
デイケア(通所リハビリテーション)。WAMの介護老人保健施設の集計(2024年度決算、2023年度と比べられる1,294施設)では、併設の通所リハビリテーションの利用率は63.4%、定員は44.2人だった。老健の類型別に黒字と赤字を比べると、どの類型でも赤字の施設の利用率が低い。
| 老健の類型(2024年度決算) | 黒字の施設の通所の利用率 | 赤字の施設の通所の利用率 |
|---|---|---|
| 基本型 | 58.2% | 54.3% |
| 加算型 | 63.6% | 57.4% |
| 在宅強化型 | 66.5% | 57.0% |
| 超強化型 | 68.9% | 63.4% |
この集計は老健に併設された通所リハビリテーションで、病院・診療所が行う通所リハビリテーションは入っていない。
稼働率1%で介護報酬はいくら変わるか(計算例)

次の前提はすべて仮定で、実在の事業所の数字ではない。
| 項目 | 仮定 |
|---|---|
| 事業所 | 通常規模型、定員30人、月25日営業(延べ定員750回)、地域区分「その他」(1単位10.00円) |
| 要介護度の構成 | 要介護1 40%、2 30%、3 15%、4 10%、5 5% |
| 時間区分 | 7時間以上8時間未満が利用の80%(基本報酬の平均791.0単位)、5時間以上6時間未満が20%(同683.65単位) |
| 加算 | 入浴介助加算(Ⅰ)40単位を利用の75%で算定(1回平均30単位) |
| 1回あたり | 791.0 × 80% + 683.65 × 20% + 30 = 799.5単位(小数第2位を四捨五入)。7,995円 |
| 含めないもの | 処遇改善加算、食費などの保険外の収入、送迎減算 |
| 稼働率 | 延べ利用回数(1日平均) | 介護報酬(月) | 70%との差(月) |
|---|---|---|---|
| 60% | 450回(18.0人) | 3,597,750円 | △599,625円 |
| 70% | 525回(21.0人) | 4,197,375円 | — |
| 80% | 600回(24.0人) | 4,797,000円 | +599,625円 |
| 90% | 675回(27.0人) | 5,396,625円 | +1,199,250円 |
- 10ポイントの差は月599,625円(約60万円)、年7,195,500円
- 1ポイントは月7.5回で59,962円(約6万円)、年719,550円
- 1日1人の増減は月25回で199,875円(約20万円)。稼働率では3.3ポイントにあたる
- 1級地(1単位10.90円)なら1回8,714.55円で、1ポイントは月65,359円、10ポイントは月653,591円(円未満切り捨て)
曜日別の表の例で、土曜を55%から75%に上げて月24回増えれば、介護報酬は月191,880円増える。
同じ稼働率80%(月600回)でも、時間区分の構成で介護報酬は変わる。
| 時間区分の構成 | 1回あたり | 介護報酬(月) | 規模の判定での人数(月) |
|---|---|---|---|
| 7時間以上8時間未満が100% | 821.0単位 | 4,926,000円 | 600人 |
| 7時間以上8時間未満80%・5時間以上6時間未満20% | 799.5単位 | 4,797,000円 | 570人 |
| 7時間以上8時間未満50%・5時間以上6時間未満50% | 767.3単位 | 4,603,800円 | 525人 |
いちばん上と下の差は月322,200円で、稼働率に直すと5ポイント余りにあたる。ここで出したのは介護報酬(売上)の差で、人件費などを引いた利益への効き方はデイサービスの経営と黒字ラインの限界利益の計算で見る(あちらのモデルは7時間以上8時間未満だけで、個別機能訓練加算も入れているので、1回あたりの単位数はこの記事と違う)。
10ポイントで月約60万円、1ポイントでも月約6万円ですか。1日1人増えるだけで月約20万円違うんですね。
稼働率の1%は、定員30人だと月7.5回分だからね。ただ、同じ80%でも短い時間の利用が増えると単価が下がるから、稼働率と1回あたりの単位数はいつも並べて見よう。
自社の数字で計算するときは、どこを置き換えればいいですか?
定員と営業日数、それに先月の請求の単位数を延べ回数で割った1回あたりの単位数だね。そこに地域区分の単価をかければ、自社の「1%でいくら」が出るよ。
1単位の単価は地域区分で決まる(地域区分と1単位の単価)。加算の月額は加算算定シミュレーターでも出せる。
実務の手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)
毎日の実績から、何を記録しておけばいいですか?
出欠と時間区分と送迎の有無、それに欠席の理由だね。この4つを日報に残しておけば、稼働率もキャンセル率も規模の計算も、あとから同じ記録で出せるよ。
| 時期 | やること | 担当 | 帳票 |
|---|---|---|---|
| 毎日(営業の終わり) | 利用者ごとの出欠、時間区分、送迎の有無(往復・片道)、欠席の理由を記録し、その日の利用者数と同時に利用した最大人数を集計する | 生活相談員・介護職員 | サービス提供記録、日報 |
| 欠席・振替の連絡を受けたとき | 欠席の理由(体調不良・入院・家族の都合など)と振替日を記録する。振替はケアマネジャーに連絡し、予定を直す | 生活相談員 | キャンセル・振替記録、サービス提供票 |
| 毎週 | 翌週と翌月の曜日別の空き枠を出し、居宅介護支援事業所に知らせる | 生活相談員 | 空き状況表 |
| 毎月(月初) | 前月の実績をケアマネジャーに送る。延べ利用者数、曜日別・時間区分別の稼働率、キャンセル率、利用者1人あたりの回数を出す | 請求担当 | 稼働率表(曜日別)、サービス提供実績 |
| 毎月(国保連への請求は翌月10日まで) | 請求の延べ回数・送迎減算の回数と、稼働率表の回数が合っているか確かめる | 請求担当・事務長 | 介護給付費明細書、稼働率表 |
| 毎月(月末) | 日ごとの同時に利用した最大人数から月平均を出し、定員を超えていないか確かめる | 管理者 | 日報 |
| 毎月(経営会議) | 稼働率、1回あたりの単位数、キャンセル率を前月・前年同月と比べ、空きの多い曜日の対策を決める | 事務長 | 月次報告 |
| 毎年3月(体制届の期限は指定権者ごと。柏市・香川県などは3月15日) | 前年度4月〜2月の平均利用延人員数を出し、規模区分が変わるなら体制届を出す | 事務長 | 規模の計算書、体制届 |
稼働率表は、日報の集計から作る表と、国保連への請求データから作る表の2つを突き合わせる。回数が合わないときは、実績の入力漏れか、請求の誤りのどちらかがある。体制届の期限は体制届の提出期限、日報や提供記録の保存は運営指導で見られる帳票を参照。
よくあるつまずき
定員30人の事業所で、1日だけ32人受け入れた日があったら、翌月は減算になりますか?
減算かどうかは月の平均で決まるから、ほかの日に空きがあれば平均は定員の中に収まるんだ。ただ、毎日満員の事業所だと、1日の超過で平均が切り上がって減算になることがあるよ。それに定員を超えて受け入れること自体が運営基準に反するから、災害などのやむを得ない場合を除いて避けたほうがいいね。
規模区分の「平均利用延人員数」は、稼働率の延べ人数と同じ数字を使えばいいですか?
そこは別の数え方なんだ。3時間以上5時間未満の人は2分の1、5時間以上7時間未満の人は4分の3で数えて、毎日営業した月は7分の6をかけるよ。稼働率表とは別に計算書を作っておこう。
- 定員超過を1日単位で考える。定員超過利用減算は、月平均の利用者数(サービス提供日ごとの同時に利用した最大人数の合計 ÷ サービス提供日数、小数点以下を切り上げ)が定員を超えたかで決まる。超えた月の翌月から解消した月まで、利用者全員の所定単位数が70%になり、個別機能訓練加算なども算定できない。定員30人・月25日で、24日が28人・1日が32人なら平均28.16人→29人で減算にならないが、24日が30人・1日が32人なら平均30.08人→31人で減算になる。モデルの月600回なら、基本報酬(1回平均769.5単位)だけで月1,385,100円減る
- 定員を超える受け入れを「減算がなければよい」と考える。運営基準 第102条は、災害その他のやむを得ない事情がある場合を除いて、利用定員を超えた提供を禁じている。災害や虐待の受け入れなどやむを得ない理由のときは、超過が始まった月の翌月は減算せず、理由がないのに翌月も続けば翌々月から減算する。指導に従わずに超過が2か月以上続くと、特別な事情がある場合を除き、指定の取消しを検討する対象になる(老企第36号)
- 休業日の数え方が月ごとにばらばら。臨時休業の日を分母に入れたり入れなかったりすると、月の比較ができない。実際に営業した日だけを数え、休業の理由を記録する
- 規模区分を稼働率表の延べ人数で済ませる。平均利用延人員数は、前年度の4月〜2月(3月を除く11か月)の延べ人数を時間区分で重みを付けて数え、正月などを除いて毎日営業した月はその月の人数に7分の6をかける。一体的に運営する総合事業(従前相当)の利用者を含め、2単位以上ある事業所はすべての単位を合算する。前年度の実績が6か月に満たない、または定員をおおむね25%以上変えた事業所は、定員の90%に予定の営業日数をかけて数える(老企第36号 第二の7(4))。たとえば定員35人・月26日営業・稼働率85%なら延べ773.5人で、4月〜2月の毎月がこの水準で全員が7時間以上なら750人を超えて、翌年度は大規模型(Ⅰ)になる(7時間以上8時間未満の要介護1で658単位が629単位)。2割が5時間以上6時間未満なら734.8人で、通常規模型のまま
- 送迎をしていない回を区別していない。事業所が居宅との間の送迎をしなかった片道ごとに47単位を減算する(利用者が自分で通う、家族が送迎するなど)。モデルの月600回のうち1割(60回)が往復とも送迎なしなら、月56,400円の減算で、稼働率1ポイント分(59,962円)に近い。事業所と同じ建物に住む人などに行う減算(1日94単位)の対象者には、送迎の減算は重ねない
- 登録者数だけを増やそうとする。稼働率は登録者数 × 1人あたりの回数で決まる。登録者が増えても、週1回の人ばかりなら延べ回数は伸びにくい。欠席が続く人は理由(入院・体調・家族の都合)を記録し、回数を増やせないかをケアマネジャーと相談する
経理・管理側の視点
経営会議では、稼働率をどう報告すればいいですか?
「1%で月いくら」に直して報告するといいよ。定員30人のモデルなら月約6万円だから、空き枠を埋める営業と、加算や人員配置の話を同じ物差しで比べられるんだ。
介護報酬は次の5つのかけ算で決まる。
介護報酬(月)= 利用定員 × 営業日数 × 稼働率 × 1回あたりの単位数 × 1単位の単価
定員と単価はほぼ動かせないので、月次で見るのは稼働率と1回あたりの単位数になる。月次報告には、稼働率、1日平均利用者数、1回あたりの単位数、キャンセル率、利用者1人あたりの回数を並べ、前月と前年同月と比べる。
加算は、稼働率に比例するものと、利用者の人数に比例するものがある。
| 加算(通所介護) | 単位数 | 何に比例するか |
|---|---|---|
| 入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 1日40単位/55単位 | 延べ回数(稼働率) |
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ | 1日56単位/76単位 | 延べ回数(稼働率) |
| サービス提供体制強化加算(Ⅰ)〜(Ⅲ) | 1回22・18・6単位 | 延べ回数(稼働率) |
| 科学的介護推進体制加算 | 1月40単位 | その月の利用者の人数 |
| ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 1月30単位/60単位 | その月の利用者の人数 |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 1月20単位 | その月の利用者の人数 |
稼働率が上がると1日単位の加算は同じ割合で増える。算定の要件は入浴介助加算、個別機能訓練加算、ADL維持等加算の記事にまとめている。
稼働率を上げると、人の配置も動く。介護職員は、単位ごとに利用者15人までは1以上、15人を超えると超えた人数を5で割った数を足した数が要る(提供時間数で換算。指定居宅サービス等基準 第93条)。曜日別の1日平均から日ごとの必要数を出して勤務表を組む(常勤換算の数え方、常勤換算・人員基準チェッカー)。増えた介護報酬がそのまま利益になるわけではないので、利益で見るときは黒字ラインの記事の限界利益を使う。
目標は、平均より自社の分岐点で置く。平均の70.7%と比べて安心するより、黒字の事業所の75.1%と、自社の黒字ライン(分岐点の稼働率)を並べ、曜日ごとの目標にする。定員を減らせば稼働率の数字は上がるが、介護報酬は増えない。稼働率の低下は国保連からの入金に約2か月遅れて出るので(資金繰りと国保連の入金)、週ごとの実績で早めにつかんでおく。
まずは先月の実績から、曜日別の稼働率表を作ってみます。
それが最初の一歩だね。いちばん低い曜日が分かったら、その曜日の空き枠をケアマネジャーに知らせるところから始めよう。
出典
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 6 通所介護費、7 通所リハビリテーション費
- 厚生労働大臣が定める利用者等の数の基準及び看護職員等の員数の基準並びに通所介護費等の算定方法(平成12年厚生省告示第27号)第1号イ・第2号イ
- 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第5号・第6号
- 厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第93条・第95条・第100条・第102条(e-Gov法令検索)
- 留意事項通知(老企第36号)第二の7(4)(東京都福祉局 平均利用延人員数を計算するにあたっての注意事項〔通所介護〕)
- 留意事項通知(老企第36号)第二の7 定員超過利用・災害時等・送迎を行わない場合の減算(島根県 通所介護 B 算定基準編)
- 留意事項通知(老企第36号)第二の7(4)・第二の8(香川県 事業所規模の区分の確認について 令和5年2月28日)
- 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月26日)問47
- 福祉医療機構 2024年度 通所介護の経営状況について(2026-004、令和8年10月9日)
- 福祉医療機構 経営分析参考指標 2024年度決算分 老人デイサービスの概要
- 福祉医療機構 2024年度 介護老人保健施設の経営状況について(2025-017、令和8年3月27日)
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第249回 資料1-2 令和7年度介護事業経営概況調査結果(第8表)
- 柏市 事業所規模による区分の取扱い
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。
