介護ソフト比較|主要8製品の対応サービス・料金・ケアプランデータ連携と選び方【2026年】
結論(この記事でわかること)
ミナ施設長から「今の介護ソフトを見直したいから、候補を比べておいて」と言われました。製品が多すぎて、どこから見ればいいのか分かりません。
ジムチョーまず自分の事業所のサービスの種類で絞るんだ。そのうえで、5年でいくら払うかと、乗り換えの手間を並べると、候補はかなり減るよ。
ミナ有名な製品から見るのではなく、うちの条件から絞っていくんですね。
ジムチョーそういうこと。この記事の8製品は、ケアプランデータ連携とLIFEへの対応はそろっているから、違いが出るのは施設・居住系を扱うか、払い方、伝送が料金に入るか、料金を公開しているか、の4つなんだ。
この記事では、製品名で検索されることが多い介護ソフトのうち、国民健康保険中央会のケアプランデータ連携のベンダ試験(V4対応版)を終えている8製品を、各社の公式サイトと国の一覧で比べた(2026年9月25日に確認)。8製品とも、ケアプランデータ連携とLIFEには対応している。違いが出るのは次の4つ。
- 施設・居住系を扱うか。特養・老健まで扱う製品と、在宅のサービスが中心の製品に分かれる
- 提供の形と払い方。月額のクラウド型と、使用権やライセンスを買う形がある
- 国保連への伝送が料金に入るか。料金に含む製品、別のサービスやオプションの製品、伝送の機能がない製品がある
- 料金を公開しているか。8製品のうち公開は3製品で、残りの5製品は見積もりで比べる
| 事業所の状況 | 最初に確かめること |
|---|---|
| 訪問介護・居宅介護支援など、外で記録する | スマートフォン・タブレットで記録できるか、クラウド型か |
| 通所介護・通所リハビリ | 記録から請求まで一気通貫か、LIFE のデータを出せるか |
| 特養・老健・グループホームなどの施設・居住系 | 施設・居住系の記録と請求に対応しているか |
| 障害福祉のサービスも運営する法人 | 同じ製品で障害福祉の請求まで扱えるか |
| 今のソフトから乗り換える | データの引き継ぎの支援、今のソフトの解約の予告期限、補助金で入れたものの処分制限期間 |
介護ソフトの選び方(機能面・サービス面・価格面)
比べる項目は、どうやって決めればいいですか?
厚生労働省の「介護ソフトを選定・導入する際のポイント集」が、機能面・サービス面・価格面の3つで整理しているから、それに沿うといいよ。
価格は、月額が安いものを選べばいいですか?
月額だけで比べるのは避けたほうがいいね。初期費用やオプション、介護報酬の改定のときの追加料金を足して、5年でいくら払うかで比べよう。
厚生労働省のポイント集は、介護ソフトを選ぶ観点を次の3つにまとめている。
| 観点 | 確かめること |
|---|---|
| 機能面 | 事業所のサービスの主な機能がそろっているか。記録から請求までの自動連携(一気通貫)、ケアプランデータ連携とLIFEの登録用ファイルの出力、パソコン以外の端末(タブレット・スマートフォン)、ペーパーレス(電子署名・データ保存)、情報セキュリティ、画面の見やすさ |
| サービス面 | デモや試用ができるか。乗り換えのときに今のデータを引き継ぐ支援があるか。職員向けの研修、導入後の定期的な支援、問い合わせへの対応、遠隔操作の支援、災害時のバックアップと復旧 |
| 価格面 | 使う期間に合った価格体系か(初期費用・毎月の支払い・一定期間の総額)。契約の単位(事業所数・職員数・利用者数)、オプション機能の追加料金、介護報酬改定やアップグレードのときの追加料金、無線LANや端末などの環境の費用 |
提供の形は3つある。ポイント集の整理は次のとおり。
| 提供の形 | 使い方 | 向いている事業所・注意点 |
|---|---|---|
| インストール型 | パソコンにソフトを入れて使う | ネットにつながっていなくても使える。データのバックアップが要り、入れたパソコンでしか使えない |
| サーバー設置型 | 法人や事業所がサーバーを置き、その上のソフトを使う | 設定すれば事業所の外からも使える。機器の購入と維持、管理の費用がかかる |
| クラウド型 | ブラウザやアプリからソフトにつないで使う | 事業所の外からも使え、初期費用が安い。緊急時のデータの復元がしやすいが、適切な情報管理が要る |
タブレットやスマートフォンで記録するには、クラウド型を使い、Wi-Fi などの環境を整えることが前提になる(ポイント集)。訪問介護や居宅介護支援のように外で記録する事業所は、ここを最初に確かめる。
主要8製品の比較表(2026年9月調べ)
国保連への伝送の扱いが、製品でこんなに違うんですね。
見落としやすいところなんだ。伝送が別のサービスやオプションなら、その料金も5年の総額に足して比べよう。
載せた8製品は、製品名で検索されることが多い介護ソフトのうち、国保中央会のケアプランデータ連携のベンダ試験(V4対応版)を終えているものから選んだ。並びは50音順で、優劣を表すものではない。表の出どころは次の3つ。
- 各社の公式サイト(2026年9月25日に確認)
- 厚生労働省「介護記録ソフト機能調査結果」(2026年8月24日版。各社の回答をまとめた補助金の参考資料)
- 国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システム ベンダ試験(V4対応版)の完了結果」(2026年8月31日)
提供の形・払い方・料金
表は横にスクロールできます
| 項目 | 介舟ファミリー | カイポケ | カナミック | CAREKARTE | トリケアトプス | ファーストケア | ほのぼのNEXT | ワイズマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 会社 | 日本コンピュータコンサルタント | エス・エム・エス | カナミックネットワーク | ケアコネクトジャパン | 岡谷システム | ビーシステム | NDソフトウェア | ワイズマン |
| 提供の形 | クラウド(ブラウザ) | クラウド | クラウド(ブラウザ) | パソコンにソフトを入れ、データセンターにつなぐ | クラウド(ブラウザ) | パソコンに入れる形(親機・子機、サーバーにも対応) | 事業所にサーバーを置く形と、クラウド版(onlineプラットフォーム) | インターネットで使う ASP サービス |
| 払い方 | 月額。1拠点あたりで、サービスの数で決まる | 月額。拠点ごとの定額 | 月額 | 初期費用と年額保守 | 月額。利用者1人あたりで、上限あり | 購入と保守契約(保守契約は必須) | 5年間のソフトウェア使用権を買う | 5年間使用権パックと初期導入費用 |
| 料金の掲載 | あり(税込) | あり(税別) | なし(要問い合わせ) | なし(聞き取りのあとに案内) | あり(税込) | なし(見積もりは無料) | なし(要問い合わせ) | なし(個別見積もり) |
| 無料体験・デモ | 最大3か月の無料体験 | 2か月の無料体験 | 公式サイトに記載なし | 見積もり・デモの依頼 | 最大3か月の無料体験 | 体験版45日(パソコン1台、請求以外の機能) | 無料デモ | 製品デモ |
対応サービス・伝送・国の一覧
ケアプランデータ連携は、8製品とも国保中央会のベンダ試験(V4対応版)で、居宅介護支援と介護予防支援の7つのパターンをすべて終えている。LIFE は、CAREKARTE を除く7製品が厚労省の調査で「CSV 連携の仕様に対応済み」と答え、CAREKARTE は公式サイトで対応を書いている。違いが出るのは次の表の3つ。
表は横にスクロールできます
| 項目 | 介舟ファミリー | カイポケ | カナミック | CAREKARTE | トリケアトプス | ファーストケア | ほのぼのNEXT | ワイズマン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 訪問 | ○ | ○ | ○ | ※ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 通所 | ○ | ○ | ○ | ※ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 居住 | ○ | ○ | ※ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| ケアマネ | ○ | ○ | ○ | ※ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 施設 | ○ | ※ | ○ | ○ | ○ | |||
| 国保連への伝送 | 月額に含む | 料金に含む(無料) | 別の伝送サービス | 機能なし(別に用意する) | 標準(介護保険) | オプション | 別のサービス | 公式サイトで確認できず |
| スマホ・タブレットの記録 | あり(通所系・GH など向け) | あり | あり | あり | あり | あり(オプション) | あり(接続ライセンス) | あり |
訪問から施設までの行は、厚労省の調査で記録と請求の機能に○が付いた区分(空欄は○なし)。「居住」はグループホームや特定施設などの居住系、「施設」は特養・老健などの施設系を指す。※ CAREKARTE は調査に載っていない。公式サイトでは、施設(特養・老健・介護医療院など)、在宅のサービス、居宅介護支援に対応すると書いている。各社が公式サイトに載せている導入数は、会員数を含む、シリーズ全体、別のシステムの利用数など数え方がそろっていないので、この表では比べていない。
料金を公開している3製品の月額の例
利用者50人の通所介護と、利用者80人の居宅介護支援(どちらも1拠点)を、公式の料金表(2026年9月25日時点)で計算した。記録のアプリやオプションが料金に含まれるかは製品で違うので、実際は見積もりで確かめる。
| 製品 | 通所介護(利用者50人) | 居宅介護支援(利用者80人) |
|---|---|---|
| 介舟ファミリー(税込) | 16,500円〜 | 8,800円 |
| カイポケ(税別) | 25,000円(税込27,500円) | 5,000円(税込5,500円) |
| トリケアトプス(税込) | 440円 × 50人 = 22,000円 → 上限の8,800円 | 220円 × 80人 = 17,600円 → 上限の5,500円 |
製品ごとの公式情報
料金を載せていない会社が5社もあるんですね。
事業所の規模や使う機能で金額が変わるからだね。問い合わせるときは、サービス・利用者数・職員数・使う機能をそろえて伝えると、見積もりを横に並べて比べられるよ。
各社の公式サイトに書かれていることだけをまとめた(2026年9月25日に確認)。
介舟ファミリー(株式会社日本コンピュータコンサルタント)
- クラウド型で、インストールは要らず、ブラウザで使う
- 介護保険(居宅介護支援、訪問介護、訪問看護、通所系、福祉用具、訪問入浴、小規模多機能、看護小規模多機能、グループホーム、ショートステイなど)と障害福祉の両方に対応する
- 料金は1拠点あたりの月額(税込)。標準パックは居宅介護支援8,800円、介護保険の訪問介護・通所介護など16,500円〜。請求が中心の簡易パックは5,500円〜。初期導入費用の例は標準パックで55,000円(税込)
- 利用者数・職員数・パソコンの台数では料金が変わらない。契約期間の縛りと解約金はない
- 国保連への伝送は標準で入っていて、月額に含まれる。無料体験は最大3か月
カイポケ(株式会社エス・エム・エス)
- クラウド型(Windows と Google Chrome で使う)
- 料金は拠点ごとの月額(税別)。通所介護・訪問介護・訪問看護・通所リハビリは各25,000円、居宅介護支援・福祉用具は各5,000円、サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホームは15,000円など。利用者やパソコンの数では変わらない
- 初期費用・法改正の対応・サポート・国保連への伝送・更新料・解約金は0円
- 無料体験は2か月。料金表のサービスの一覧に、特養・老健はない
カナミッククラウドサービス(株式会社カナミックネットワーク)
- クラウド型で、ソフトのインストールは要らず、ブラウザで使う
- 地域包括支援センター、居宅介護支援、在宅のサービス、特養、老健、グループホーム、特定施設、サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム、障害福祉に対応する
- 介護ソフトの料金は公式サイトに載っていない(要問い合わせ)
- 国保連への伝送は、別の「カナミック伝送サービス」(1ID 月額1,480円(税込1,628円)から。電子証明書と国保の伝送ソフトは要らない)などを使う
- 記録のアプリ「かんたん介護記録」(iOS・Android)がある
CAREKARTE(株式会社ケアコネクトジャパン)
- パソコンにソフトを入れ、インターネットでデータセンターにつなぐ形。iPhone・iPad などのアプリもある
- 施設(特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホーム・ショートステイ)、在宅のサービス、地域密着型、居宅介護支援、障害福祉に対応する
- 料金は「初期費用と年額保守」で、2年目からは年額保守だけ。金額は聞き取りのあとに案内される
- 国保連への伝送の機能はなく、伝送のソフトは別に用意する
- 厚労省の介護記録ソフト機能調査結果には載っていない(国保中央会のベンダ試験は完了)
トリケアトプス(岡谷システム株式会社)
- クラウド型(Edge・Chrome・Firefox で使う)
- 訪問系、通所系、居宅介護支援、福祉用具、小規模多機能、グループホーム、高齢者住宅、総合事業などに対応する。特養・老健の記載はない
- 料金は利用者1人あたりの月額(税込)で、上限がある。居宅介護支援・小規模多機能・グループホーム・福祉用具貸与などは1人220円(上限5,500円)、訪問介護・通所介護などは1人440円(上限8,800円)。初期費用は無料
- 国保連への伝送は標準の機能(介護保険のサービス)。無料体験は最大3か月
ファーストケア(株式会社ビーシステム)
- パソコンに入れて使う形(Windows 11。親機・子機の構成や Windows Server にも対応。2026年7月時点の動作環境)
- 介護保険の全サービスと、医療保険の訪問看護に対応する
- 料金は載っていない(見積もりは無料)。買うときは保守契約が必須で、保守契約の期間内は追加料金がかからない
- 国保連への伝送はオプション(スマート伝送)
- 体験版は45日間で、パソコン1台、請求以外の全機能を使える
ほのぼのNEXT(NDソフトウェア株式会社)
- 事業所にサーバーを置く形と、データセンターの専用サーバーにインターネットでつなぐクラウド版(onlineプラットフォーム)がある
- 施設(特養・老健・介護医療院)、居宅介護支援、居宅サービス、地域密着型サービスに対応する。障害福祉は別の製品
- 5年間のソフトウェア使用権を買う方式で、金額は要問い合わせ。制度改正・単価改定のときのバージョンアップ費用などの追加負担は要らない
- 国保連への伝送は別のサービス(ケアネットメッセンジャー)
- 記録のアプリ(Care Palette)は、接続ライセンスを買う必要がある
ワイズマンシステムSP(株式会社ワイズマン)
- インターネットで使う ASP サービス。更新やバックアップの作業は要らない
- 居宅介護支援、老健、特養、介護医療院、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、小規模多機能、看護小規模多機能、訪問・通所の各サービス、障害福祉に対応する
- 料金は「5年間使用権パック」(利用料、保守、法改正の対応、バージョンアップ)と「初期導入費用」(設定料、操作説明料)で、金額は個別見積もり
- スマートフォン・タブレットの記録アプリ(すぐろく Home・すぐろく Tablet)がある
費用と回収の計算例
入れたら、何か月で元が取れるものなんですか?
見積もりの金額と、減らせる作業の時間で決まるんだ。下の例は、介護ソフト導入コスト・回収期間シミュレーターと同じ計算だよ。
例1:紙と表計算から、クラウド型の介護ソフトに替える
通所介護。初期費用50万円、月額3万円、記録の転記と請求の集計で減らせる作業が月40時間、1時間あたりの人件費1,500円とする。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 毎月の効果 | 40時間 × 1,500円 − 月額30,000円 | 月30,000円 |
| 元が取れるまで(補助金なし) | 500,000 ÷ 30,000 = 16.7 | 17か月目(1年5か月) |
| 5年間の累計(補助金なし) | 30,000 × 60か月 − 500,000 | 1,300,000円 |
| 元が取れるまで(初期費用の4分の3が補助金で戻る場合) | 125,000 ÷ 30,000 = 4.2 | 5か月目 |
| 5年間の累計(同) | 30,000 × 60か月 − 125,000 | 1,675,000円 |
減らせる時間が想定の半分(月20時間)だと、毎月の効果は 20時間 × 1,500円 − 30,000円 = 0円 になり、初期費用は戻らない。
月40時間減れば、1年半くらいで元が取れるんですね。
そうなんだ。ただ、減る時間が半分だと元が取れない計算になる。削減時間は、いまの転記や集計にかかっている時間を1か月測ってから入れよう。
例2:今のソフトから、記録のアプリがあるソフトに乗り換える
訪問介護。今のソフトは月2万円で、訪問の記録は紙に書いて事務所で打ち込んでいる。乗り換え先は月3.5万円、初期費用20万円、データの移行と研修に職員の時間が合わせて40時間かかる。打ち込みがなくなり、月30時間減るとする。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 最初にかかる費用 | 200,000 + 40時間 × 1,500円 | 260,000円 |
| 毎月の効果 | 30時間 × 1,500円 + 今のソフト20,000円 − 新しいソフト35,000円 | 月30,000円 |
| 元が取れるまで | 260,000 ÷ 30,000 = 8.7 | 9か月目 |
| 5年間の累計 | 30,000 × 60か月 − 260,000 | 1,540,000円 |
乗り換えは、今のソフトの月額がなくなる分も効果に入る。一方で、データの移行と研修にかかる職員の時間は最初の費用として見ておく。自社の数字は介護ソフト導入コスト・回収期間シミュレーターで試算できる。
補助金は、どれくらい当てにしていいんですか?
補助の率や上限、受付の時期は都道府県ごとに違うんだ。受付を締め切った県もあるから、公募要領で確かめてから計算に入れよう。
介護ソフトの導入に使える補助金は主に2つ。
| 補助金 | 内容 | 確かめること |
|---|---|---|
| 介護テクノロジー導入支援事業(都道府県) | 介護ソフト、タブレット、Wi-Fi などの導入費用を補助する。令和7年度の国の基準では、介護ソフトなどICTの補助の上限は職員数に応じて100万〜250万円、補助率は条件を満たせば4分の3を下限(それ以外は2分の1を下限)。在宅系は、ケアプランデータ連携システムを使い、連携する相手の事業所が決まっていることが条件 | 実施するか、補助率・上限・受付期間は都道府県ごとに違う。令和8年度の公募要領で確かめる |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 中小企業・小規模事業者のITツールの導入を補助する。社会福祉法人・医療法人・特定非営利活動法人は常時使用する従業員300人以下、株式会社などのサービス業は資本金5,000万円以下か従業員100人以下が対象 | 登録されたIT導入支援事業者を通じて申請する。乗り換え先のソフトが対象のITツールか確かめる |
導入・乗り換えの手順(誰が・いつまでに・どの帳票で)
乗り換えるとしたら、いつから準備すればいいですか?
請求の月をまたがないように、切り替える月を先に決めるんだ。そこから逆算して、今のソフトの解約の予告期限と、データの移行を確かめておこう。
| 時期 | やること | 担当 | 使うもの |
|---|---|---|---|
| 切り替えの6か月前まで | 候補を集める(各社の公式サイト、近くの事業所、相談窓口)。サービスの種類と端末で3社ほどに絞る | 事務長 | 厚労省の機能調査結果、国保中央会の一覧 |
| 5か月前 | デモと試用。現場の職員も入れて、記録から請求までを一通り操作する | 事務長・現場のリーダー | 試用の環境 |
| 4か月前 | 同じ条件で見積もりをとる(サービス・利用者数・職員数・使う機能)。5年の総額と、オプション・改定のときの費用を出してもらう | 事務長 | 見積書 |
| 4か月前 | 今のソフトの契約を確かめる(解約の予告期限、データの書き出し、補助金で入れたものか) | 事務長・経理 | 今の契約書、補助金の交付決定通知 |
| 3か月前 | 契約。移すデータ(利用者の基本情報、被保険者証の情報、ケアプラン、提供票、職員)の範囲と日程を決める | 事務長・請求担当 | 移行データの一覧 |
| 2か月前 | 国保連への伝送の設定(電子証明書、請求の送り方)と、端末・Wi-Fi の準備 | 請求担当 | 電子証明書 |
| 1か月前 | 職員への研修。月の初めから新しいソフトで記録できるようにする | 事務長・現場のリーダー | 操作の手引き |
| 切り替えの月 | 月の初めのサービスから新しいソフトで記録する | 全員 | |
| 翌月10日まで | 新しいソフトで初めての請求。前の月までの返戻や月遅れの請求をどちらのソフトで出すかを決めておく | 請求担当 | 請求明細書 |
時期は、デモと見積もりに1〜2か月、データの移行と研修に2〜3か月かかる前提で置いた目安。
よくあるつまずき
取引先のケアマネ事業所と同じソフトにしないと、ケアプランデータ連携は使えませんか?
そんなことはないよ。標準仕様のデータでやりとりするから、ソフトが違っても連携できるんだ。ただ、書き出しや取り込みの細かい機能はソフト会社で違うことがあるから、デモのときに確かめておこう。
補助金で入れたソフトを、数年でやめて乗り換えるときは?
単価30万円以上のものには5年の処分制限期間があるんだ。その前にやめるなら財産処分の手続きが要って、納付金がかかることもあるから、乗り換えの時期は期間を確かめてから決めよう。
- 取引先と同じソフトにそろえようとする。ケアプランデータ連携は標準仕様のデータでやりとりするので、ソフトが違っても連携できる。ただし、標準仕様に沿った書き出し・取り込みの機能はソフト会社によって違うことがある(国保中央会の一覧の注記)ので、デモで確かめる
- 月の途中で切り替える。1か月の記録と実績が2つのソフトに分かれ、請求の集計が合わなくなる。サービス提供月の初めで切り替える
- 過去の月の返戻や過誤の再請求を出せなくなる。新しいソフトに過去の請求データが移っていないと、再請求を作れない。今のソフトをしばらく閲覧できる状態にするか、再請求に要るデータを移す
- 解約の予告期限を過ぎる。今のソフトの解約が間に合わず、2つのソフトの料金を払う月が出る。契約書で予告期限を先に確かめる
- 契約の単位を見落とす。事業所ごと、利用者数ごと、職員数ごとなど、料金の決まり方は会社で違う。利用者や事業所が増えたときの料金も見積もりで出してもらう
- オプションと改定のときの費用を入れていない。記録のアプリ、LIFE、給与や勤怠の機能が別料金のことがある。介護報酬改定のときの更新費用も確かめる(ポイント集の価格面)
- 端末と Wi-Fi の費用を忘れる。タブレットで記録するなら、端末の台数分と通信の費用がかかる
- 補助金で入れたものを期間内にやめる。補助金で取得した単価30万円以上の介護ソフトは、処分制限期間が5年。期間内に使うのをやめたり譲ったりするなら、財産処分の承認の手続きが要り、納付金がかかることがある
経理・管理側の視点
経理では、月額のソフトと買い切りのソフトで、扱いは違いますか?
違うんだ。月額は毎月の費用で、買い切りはソフトウェアとして資産に載せて、ふつうは5年で償却するよ。
- 払い方で会計の扱いが変わる。クラウド型の月額は、その月の費用として処理する。買い切りのソフトは無形固定資産(ソフトウェア)として計上し、償却する。法人税の決まりでは、自社で使うソフトウェアの耐用年数は5年
- 比べるのは5年の総額。月額制は初期費用が小さい代わりに払い続け、買い切りは初期費用が大きい代わりに、保守料と改定のときの更新費用がかかる。見積もりは同じ5年で並べる
- 加算の要件とのつながり。介護ソフト(記録・情報共有・請求の転記が要らないもの)と情報端末の導入は、処遇改善加算の職場環境等要件の「生産性向上のための取組」の1つに入っている(令和8年度 基本通知 別紙1表4 ㉑)。施設系などは、記録ソフトが生産性向上推進体制加算(Ⅱ)で使う機器の1つになる(生産性向上推進体制加算の要件と準備)。ケアプランデータ連携は、処遇改善加算のロの条件にもなる(ケアプランデータ連携システムとは)
- 補助金で入れたものの管理。補助金で取得した介護ソフトは、処分制限期間(5年)のあいだ台帳で管理し、乗り換えの時期を決めるときに見る
まずは、うちのサービスと利用者数で、見積もりの条件をそろえるところからですね。
そうだね。条件をそろえて2〜3社から見積もりをとれば、5年の総額と回収の月数で落ち着いて比べられるよ。
出典
- 厚生労働省 介護ソフトを選定・導入する際のポイント集
- 厚生労働省 介護記録ソフト機能調査結果(令和8年8月24日版)
- 国民健康保険中央会 「ケアプランデータ連携システム」ベンダ試験(V4対応版)の完了結果について(2026年8月31日)
- 厚生労働省 介護テクノロジーの利用促進
- 厚生労働省 介護テクノロジー導入支援事業(令和7年度)
- 厚生労働省 補助金を活用して導入した介護テクノロジー等の財産処分手続の手順
- デジタル化・AI導入補助金2026 申請の対象となる方
- 令和8年度 処遇改善加算 基本通知(老発0313第6号 令和8年3月13日)
- 国税庁 タックスアンサー No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数
各社の公式サイト(2026年9月25日に確認)
記事中の計算例は概算です。実際の算定・請求は自治体および国保連への確認が必要です。制度に関する記述は執筆時点の情報に基づきます。
